ロシア外務省で日本を担当するアジア第3局長のニコライ・ノズドレフ氏が20日までに共同通信の書面インタビューに応じた。同氏は北方領土元島民の墓参を今後実施する場合は「いかなる特恵も手続きの簡素化も適用されない」と述べ、ビザ取得を求める考えを示唆した。日本政府は、ビザを取って北方四島を訪問すればロシアの主権を認めることになり受け入れられないとの立場で、元島民の墓参は再開のめどが立たなくなる恐れが出てきた。
平和条約交渉についてノズドレフ氏は、ロシアは単なる平和条約ではなく、日本との平和と友好、総合的な善隣関係についての条約締結を目指してきたと説明。「公然とわが国に脅威を与える」国と、そのような文書の協議は不可能だと岸田政権を批判した。将来の交渉再開の可能性についての質問には直接答えず、「今の日本の反露的路線は長期的な対日関係に反映される」とし、再開に悲観的な見方を示した。(毎日新聞2022/5/21)
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