日本政府は米国、EUと一緒にロシアとベラルーシに対する制裁に加わり、それに対してロシアは南クリル諸島(北方領土)に関する平和条約交渉と共同経済活動の協議停止、ビザなし交流の終了、エネルギー資源をルーブルで日本に売却すると決定し、日本を落胆させた。それにもかかわらず、私たちの意見では、日本の制裁への確固たる対応において、南クリル諸島の元居住者が彼らの先祖の埋葬地を訪問する機会を残したことは正しいことだった。この人道的措置は、対立の高まりに直面している中で、高齢の元居住者に対するロシアの寛大さと強さを示すものだ。日本人にとって、祖先の墓にお参りすることは神聖な性格を持っている。特に年配の日本人にとって、お墓参りが出来ないことは、世代のつながりを失うことと似ている。1945年に南クリル諸島がソ連の管轄下に移る前、約1万7千人の日本人がそこに住んでいたことに留意しなければならない。現在、582人がまだ生きている。(※正しくは5,474人)元居住者の平均年齢は86.5歳である。彼らの多くは、以前の住居の場所を新型コロナの影響で2年間訪問できず、もう生きているうちに訪問できないのではないかと、希望を失い、非常に腹を立てている。インターネットの根室の情報によると、クリル諸島に最も近いこの街の市議会は、ロシアがウクライナで特別軍事作戦を行ったことを非難する決議を出さなかった。根室地域の近隣の町の議会は非難決議を出したにもかかわらず。その理由はおそらく政治的なものではなく、経済的なものだ。地元の漁師にとって、ロシアの経済水域で水産資源の漁獲の許可を得ることは非常に重要である。ほぼすべてのウニが南クリル諸島海域で漁獲され、その後日本市場に供給されている。そしてロシアは、その海域で日本の漁師が水産資源を漁獲するための割り当てに関する合意をまだキャンセルしていない。ちなみに、政治家のすべてが日本政府の立場を明確に支持しているわけではない。ロシアとの関係について、長く日本の首相の相談に乗って来た鈴木宗男氏は最近、このように述べた。「NATOとG7サミットでロシアに対する制裁を強化し、ウクライナへの武器供給を増やすという決定がなされた。私たちが武器を供給すれば、民間人は犠牲になり、さらに多くの犠牲者を出すのではないか?制裁が課されても、停戦につながることはない」–私たちは、最も近い隣人による完全に客観的で合理的な意見だと思う。ロシアの外務省は、ロシアの利益を守るための確固たる立場を擁護する一方で、それほど長く生くることが出来ないであろう高齢の元居住者に対して制裁を課さないことを望んでいる。(Shikotan News 2022/3/25)
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