ロシア、フィッシュミール生産拡大 国後島でも新工場稼働

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 漁業生産量において日本の400万トンに対し、ロシアは500万トンで近年リードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)より大幅に遅れ、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなってきた。ロシアは、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産拡大を、“2030年までの漁業発展戦略”に盛り込んでいる。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/2/20)

 ロシアのフィッシュミール生産量は2018年、初めて10万トン台となり、以後、2021年まで右肩上がりで生産を拡大させ、14万トン台に達した。毎年、1月-4月、生産量が大きくなるのは、主に100万トン近く漁業生産が行われるオホーツク海抱卵スケトウダラ操業の残滓、これに次いで6月-8月、生産がやや大きくなるのは、太平洋サケマス操業の残滓と見られる。さらに、ここ2年-3年、10月-12月に生産が大きくなる傾向を見せているのは、拡大を続けるイワシ漁業によるものと推察される。

 2021年、同年7月末までの生産量は、8万3,350トン、ほぼ前年同となった。これは、新型コロナウイルス拡散防止対策による製品主要仕向け先の中国の輸入制限により、生産調整を行い、減産を余儀なくされたオホーツク海抱卵スケトウダラ操業により1月-5月、10%近くあった遅れを太平洋サケマスの増産により追いついたものと考えられる。更に、10月-12月のイワシ・サバ漁業の拡大で、同年、最終的に約14万3,400トンに達した。

 2012年から2013年のロシアのフィッシュミールの平均価格は、トンあたり3万ルーブル台だったが、2014年12月に5万ルーブルを記録すると、翌2015年1月には6万ルーブルを超え、以後、2019年までは平均7万ルーブル台で推移、2020年の平均価格は8万1,600ルーブル強となった。2021年の平均価格は9万3,200ルーブルで、更にこれを上回る高値となった。

国後島・古釜布 新しい魚油・魚粉工場が稼働 水産廃棄物を原料に年間8,000トンを生産

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