太平洋戦争終戦まで日本が統治した南樺太(現ロシア・サハリン南部)と、日本本土を行き来する経由地としてにぎわいを見せた稚内市。南樺太は終戦後に旧ソ連軍の侵攻を受け、沖縄戦以来となる市民を巻き込んだ戦闘となった。当時の様子を後世に伝えようと、稚内市樺太記念館が2018年5月に開館。南樺太からの引き揚げ者らでつくる「全国樺太連盟」から寄贈された約2000点の資料をもとに、展示を構成している。
その開館作業に当たったのが、学芸員で同市教育委員会教育総務課の斉藤譲一主査(48)だ。着任当時、晴れた日に対岸に見えるサハリンの島影に「思った以上に近い」と実感。一度訪れたサハリンでは、公共施設や神社などに戦前の日本建築の名残が見られ、樺太の存在を身近に感じたという。(毎日新聞北海道版2022/1/12)
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