択捉島・瀬石温泉 5歳児が野犬に咬まれ重傷を負った事件 地方裁判所が行政府に30万ルーブルの補償金支払いを命令

択捉島ゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)で、5歳の男の子が野良犬に襲われて重傷を負った事件で、クリル地方裁判所は行政府による野良犬の管理が不十分だったと認め、損害賠償の支払いを命じた。昨年1月28日、5歳の男の子が約10頭の野良犬の群れに襲われ、手や頭を咬まれた。数分後、軍人が駆け付け犬を追い払い、一命をとりとめた。男の子はクリル地区中央病院に搬送された後、ドクターヘリでサハリンの小児病院に収容された。男の子は集中治療室で1週間過ごし、複数回の手術を受け、1カ月後に退院できた。その後も頭部への皮膚移植の手術を受けている。択捉島を管轄する地区検察当局が行政府の責任と損害賠償を求める訴訟を提起した。当初、行政府側の弁護士は被害者側に対して、襲った犬が飼い主がいない野良犬であったことを証明するよう要求した。さらに、弁護士は行政府と住宅サービスなどを担う公営企業の間で野良犬の捕獲に関する合意があったとして、公営企業に管理責任を押し付けようとした。地方裁判所は証言や証拠から「野良犬の状況を監視することは専ら行政府の権限であり、責任だ」と結論した。ただ、検察側が求めた300万ルーブルの補償額については「過度に誇張されている」として、被害者の肉体的精神的苦痛と年齢を考慮して40万ルーブル(後に30万ルーブルに減額された)とした。その際、地方裁判所は、地域に野良犬がいることを知りながら子供を外で遊ばせていた両親の「重大な過失」を考慮した。さらに検察側は市長の責任も求めていたが、地方裁判所はその訴えを認めた。ゴリャチエ・クリュチでは以前にも小学1年生の女の子が野良犬の被害にあっており、行政府は適切な対策をとらなかった。そして、悲劇が繰り返された。(サハリン・インフォ2021/12/23)

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5歳の男の子を襲った犬

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