16基目トーチカ、根室・昆布盛地区の海岸で確認 21年ぶり

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 日本建築学会北海道支部の専門家が、根室市昆布盛地区の海岸付近を調査し、戦時中に旧日本軍が造った防御陣地「トーチカ」1基を正式に確認した。市内16基目で、新たな確認は21年ぶり。崖を掘った当時のままの状態で保存されており、同チームが年度内にも発行する道内のトーチカの記録台帳に掲載する。(北海道新聞根室版2021/11/15)

 トーチカは、第2次世界大戦末期の1944年(昭和19年)から45年にかけて、上陸した米兵を内部から銃撃する想定で旧日本陸軍が造ったコンクリート製の箱形建造物。市内では98~2000年に市民グループが15基を確認しており、昆布盛のトーチカは19年に都内の会社員が発見した。

 同支部の小野寺一彦・歴史意匠専門委員=帯広市=が13日、現地を訪れ、昆布盛漁港を見下ろす崖の北側に埋まった構造物を調査し、位置や形状からトーチカと判定した。

 外部から見えるおおむね台形状の部分は建物の壁の一部で、幅120~250センチ、高さ140センチ。崖の上部に掘った穴にトーチカを設置し、土を盛って埋めたとみられる。落石防止の金網があり、内部の計測はできなかった。

 小野寺さんは根室にあった飛行場など軍の基地を守る目的で造られたのではないかと指摘。「トーチカは上陸した兵隊を左右から銃撃するので、2基を1セットとしているものが多い。昆布盛の場合は対になるトーチカが見当たらない。戦術の変化を示しているのかもしれない」と分析した。

 研究チームは月内に道内のトーチカについて調査を終え、位置や大きさなどをまとめた台帳を本年度内に作る予定。(武藤里美)

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