来年の北方領土ビザなし交流開始30年を前に、根室市と市民団体「ビザなしサポーターズたんぽぽ」は7日、色丹島在住のロシア人とのオンライン交流会を初めて開く。新型コロナウイルスの影響でビザなし渡航が2年連続で中止になる中、互いの現状を確認し、渡航再開や交流の進展に向けた機運を高める狙いだ。(北海道新聞根室版2021/11/6)
交流会は、ビザなし渡航中止により途絶えている双方の市民同士の交流を再開させるため、根室側が提案し、色丹島側も快諾した。市は、根室管内と四島側が相互に訪問する「地域間交流」の実現に向けた取り組みと位置付ける。
これまで四島側とのやりとりはビザなし交流や年始のあいさつなどに限られていた。オンラインでの対話の機会を設けるのは今回が初めて。
当日は、根室側からはビザなしサポーターズたんぽぽの本田幹子代表ら4人が、色丹島側からはビザなし交流事業に長年参加してきたロシア人島民7人が参加。双方のビザなし交流への考え方、マチの現状、新型コロナの状況などについて情報を交換する。根室側は来年度に向け、交流を深める方針を確認したい考えだ。
市は今後、択捉島や国後島のロシア人島民ともオンラインで交流する予定で、根室市民の参加も増やしたいという。市北方領土対策部は「ビザなし渡航の枠組みの中で、交流事業は1つの大切な柱。事業開始30年に合わせ、島側と共同で取り組める事業はないか探りたい」と話している。(武藤里美)
コメント