根室市は、姉妹都市であるロシア・サハリン州のセベロクリリスク市(千島列島北部パラムシル島)との交流再開に向け22~24日、オンラインで意見交換した。両市の対面での交流は約20年間途絶えている。今回は両市の職員らが2人ずつ参加して地域の抱える課題や将来像について話し合い、今後定期的に意見を交わす場を設けようと合意した。(北海道新聞根室版2021/10/25)
パラムシル島はサケやマダラの好漁場として知られ、セベロクリリスク市は同島の中心地になっている。根室市は1994年、漁業を中心とした地域経済活性化に向けて協力を図ろうとセベロクリリスク市と姉妹都市提携を締結。民間団体が相互に訪問したが、往来の難しさもあり、経済交流は進まず、訪問事業も96年が最後になった。現在は年始のあいさつをファクスやメールで交わすだけになっている。
根室市は交流再開を図ろうと、22~24日に行われた「オンライン日露青年フォーラム 姉妹都市交流2021」(日露青年交流センターなど主催)に参加。根室側からはともに市職員でロシアへの留学経験がある石川主香(しずか)さんと四方(しかた)百合子さんが、セベロクリリスク側からは市職員と同市の中学校教師が出席した。
4人は人口流出が止まらない、双方の共通の現状を共有。市民が住み続けたいと思えるきれいなマチをつくるため、ゴミ問題について双方の小中学生らが話し合うオンライン意見交換会の開催などを提案した。根室側は交流や、課題の共有と解決のために今後も定期的に話し合う場を設けようと声をかけ、セベロクリリスク側も合意した。
石川さんは「環境や産業、抱える課題も同じだった。長年途絶えていた交流を再開できてよかった」、四方さんは「やっと一歩を踏み出せた。このつながりを無駄にしないようにしたい」と述べた。市北方領土対策課は「対面するだけでも成果だと考えていた。今後どのように交流を展開させるか検討したい」と話した。(武藤里美)
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