根室市は10月9、11日の両日、終戦直後まで根室と北方領土国後島を結んだ通信用海底ケーブルの中継施設「陸揚庫」の初めての発掘調査と建物の雑草除去を行う。陸揚庫は国の文化審議会が文部科学相に登録有形文化財とすべきだと答申しており、施設の保存に向けての取り組みとなる。(北海道新聞根室版2021/9/29)
陸揚庫は市内西浜町の海岸にある鉄筋コンクリート製の平屋建て建造物。旧逓信省が1900年(明治33年)に国後島ケラムイまで敷設した電信線の根室側の起点で、建物自体は35年(昭和10年)ごろの建設とされる。
今後、登録有形文化財となることから、施設の全容把握と保全のために発掘調査と雑草除去を実施する。発掘調査は9日に行い、陸揚庫北側の市有地や海岸を重機やスコップで掘り起こし、地中に埋設されているケーブルの状況を確認。11日は雑草除去を行い、敷地内や建物自体に生えた雑草を取り除く。いずれも専門的な知識や技術が求められることから、北海道博物館の右代啓視学芸員が指導する。
市は9日に行うケーブルの発掘調査のボランティアを募集している。調査時間は午前8時~午後4時で、短時間の参加も可能。悪天候の場合は10日に順延する。市北方領土対策課で配布している申込書に必要事項を記入の上、5日までに持参またはファクスで提出する。問い合わせは同課☎0153・23・6111(ファクス0153・24・8692)へ。(武藤里美)
コメント