今年に入って択捉島を訪れた観光客は3,500人を超えた。年末年始だけでも100人以上を記録した。公的機関とツアー会社のデータを集計した数字だ。択捉島観光には国境パスが必要だが、FSBのサハリン国境局がクリル諸島訪問目的で発行したパスの総数は今年8月1日現在で3,355件にのぼる。このうち72件はドイツ、イギリス、オーストラリア、モルドバ、アメリカ、イタリアなど外国人に対して発行されている。2020年同時期はパスの総数839件、うち外国人向けは19件に過ぎなかった。択捉島には唯一のツアーオペレーター「ギドロストロイ・ツアー」が通年で観光サービスを提供しているほか、近年ではクリル諸島へのツアーを企画する旅行代理店が増加している。「アドレナリンツアー」、「オメガプラス」、「アミスト」、「ビトモ」などがある。加えて、観光客に輸送サービスを提供する地元の個人企業家も出てきた。しかし、観光客の増加に伴い、困難が生じているのも事実。十分なインフラの欠如、環境問題に関連する問題、観光地へのアクセスや輸送の問題などだ。おそらく、来年は状況が変わるだろう。8月のクリル地区議会で観光開発について話し合われた。その中で、旅行会社によるチャーター便を組織する必要性や快適なキャンプ場の整備、観光税や環境税の導入などについて意見が交わされた。11月には、クリル地区行政府のロコトフ市長が国内とインバウンド観光開発のための新しい戦略を発表する。(択捉島の地元紙クラスヌイ・マヤーク2021/9/15)
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