北方領土返還の決意を示すために納沙布岬に建てられたモニュメント「四島(しま)のかけ橋」に落書きされた問題で、管理する市が復旧方法を模索している。モニュメントは特殊な金属でできており、落書きの消し方を検討。関係者からは、再発防止のため周囲に防犯カメラを設置するよう求める声も上がっている。(北海道新聞2021/9/14)
モニュメントは1981年9月に建てられ、長さ35メートル、高さ12・7メートル。本体の下には灯火台がある。近隣住民が13日朝、本体下部と灯火台に白いスプレーで「奪還」と書かれているのを見つけ、市に連絡した。
モニュメントは表面のさびが内部に侵食しない、耐候性鋼板という特殊な素材でできている。
市は薬剤で落書きを消すことや塗料で塗るなど「あとが残らないよう、さまざまな方法を慎重に検討している」といい、今月中の対応を目指す。
市から被害届を受けた根室署は器物損壊事件とみて、目撃情報や落書きの塗料の購入先などの捜査を進めている。
ただ、周辺に防犯カメラがないため、「容疑者特定までに時間がかかるのでは」とみている。
北方領土元島民の子孫でつくる「かけはしの会」会長で、国後島元島民2世の法月信幸さん(63)は「落書きは返還要求運動に水を差す行為。再発防止のため、防犯カメラやライトなどを設置してほしい」と求める。市は今後、「防犯対策を議論する」という。(川口大地、武藤里美)
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