日本の北海道新聞によると、日本政府は新型コロナの感染拡大の影響から、9月に日本と南クリルの島々(北方四島)におけるビザなし渡航を実施しないことを決定した。択捉島、国後島、色丹島に住むロシア人と日本人のビザなし交流は1992年から、新型コロナ感染拡大が始まる前の2019年まで、毎年5月から10月に行われてきた。パンデミックにより、2年間行われていない。今年は墓参3回を含め19回のビザなし渡航を予定していた。9月の分はまだ希望があつたが、日本の状況が悪化した。日本側は、平均年齢86歳の元島民とその家族の参加を得て、洋上からの慰霊を検討している。昨年は、同様の状況野中、10月に飛行機からクリル諸島南部の島々を見た。(※上空慰霊) 択捉島、国後島、小クリル列島(※色丹島、歯舞群島)を巡る領土紛争が続く中で、両国市民によるビザなし渡航はパブリック・ディプロマシーの手法であり、ある種の「出口」となっている。なお、色丹島を除く小クリル列島は歯舞群島と呼ばれている。日本がこれらの島々を指して使う「北方領土」や「北方四島」というフレーズは、ロシアを含む世界中で使用されるようになっている。(サハリン・インフォ2021/8/16)
※パブリック・ディプロマシーとは、伝統的な政府対政府の外交とは異なり、広報や文化交流を通じて、民間とも連携しながら、外国の国民や世論に直接働きかける外交活動のことで、日本語では「広報文化外交」と訳されることが多い。(日本外務省ウエブサイト)
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