北方領土・択捉島の学校は夏休みに入り、子どもたちが無料のサマースクールを楽しんでいる。夏休み中は暖かい大陸南部で過ごす家族が多いが、低所得世帯やひとり親世帯は家計が厳しく、出掛けられない。サマースクールは、島に残った子どもたちが退屈しないためのプログラムが盛りだくさんだ。(北海道新聞2021/8/7 ガリーナ・クンチェンコ通信員、写真も)
中心地の紗那(クリーリスク)、別飛(レイドボ)、瀬石温泉(ガリャーチエ・クリューチ)、ゴルノエの4カ所の学校全てで開講し、7歳から12歳までの約190人が参加。
子どもたちは毎日午前9時に登校し、スポーツやゲームで楽しむほか、図書館で読書したり、美術館で芸術品を鑑賞したりして午後5時に帰宅する。消防署、新聞社、養魚場、水産加工工場などの職場見学や、温泉などへの遠足も企画されている。
費用は択捉島を管轄するクリール地区行政府が負担し、食事も朝昼晩の3食付き。メニューを見ると、ビタミン不足にならないように、島で高価な果物が連日提供されている。
紗那の学校に通うアンジェラ・アントニアンさん(8)は「家の食事では果物やヨーグルトはめったに出ない。おいしくて残さず食べてしまう」と大満足。サマーキャンプは子どもたちの健康も支えているようだ。
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