夏休みの最初の日。択捉島クリリスク(紗那)の文化スポーツ会館で開幕した写真展「クリルの先住者たち」–。島内各地からたくさんの親子連れが詰めかけ、かつてないほどの熱気に包まれた。来場者の多くは小学生たちで、展示された写真の中に写っている自分を捜していた。展示会のもとになった写真集も用意され、100人に配布された。ページをめくって、自分の姿を見つけた子供たちはスマホのカメラで撮影した。写真集は、ここ数年の間に択捉島で撮られた写真が掲載されている。その多くは子供や家族の写真だ。息子が乗る自転車を押している母親の写真。2年前に撮られたもので、子供は母親の助けがなければ自転車に乗れなかった。それが今では、重い写真集を両手でしっかりと握っている。ヴァレリア・ガブリロワさんは「これが私のリュバシャよ!! とても小さな女の子だったのに、もう今は14サ歳。もう14歳!!」と繰り返して、写真を見つめていた。クリル地区のロコトフ市長はオープニングで「子供の日に、ギドロストロイは素晴らしい贈り物をくれた。今年、クリル地区は75周年、ギドロストロイも30周年を迎えた」と、写真集や展示会の制作費を引き受けた企業に感謝した。クリル地区議会のベラウソワ議長は「エトロフは1つの大きな家族であり、このアルバムはそのことを物語っている」と称えた。写真集はウラジオストクの印刷会社で制作。20部が図書館に寄贈され、100部が会場で配布されたが30分もかからないでなくなってしまった。6月下旬には900部が届くことになっており、希望者全員に配布できるという。(サハリン・インフォ2021/6/2)
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