北方領土の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)が、島の記憶を伝え広める「北方領土の語り部」や、元島民のインタビュー映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。デジタル化した資料をインターネット上で誰もが見られるようにすることで、領土問題の啓発に役立てる狙い。
(北海道新聞2021/3/17)
ユーチューブ上のチャンネル「千島連盟」を昨年3月上旬に開設し、これまで動画24本を配信している。
元島民が戦前の暮らしや戦後の強制退去の体験を語るビデオ「われらの四島(しま)の思い出」(1997~2001年制作)や、領土返還要求運動にかかわる団体が元島民を招いた語り部の様子を公開。元島民2世らでつくる千島連盟後継者活動委員会が、衛星写真や地図を組み合わせて北方領土上空を遊覧飛行しているように編集した動画もある。
昨年10月に行われた北方領土周辺の上空慰霊の動画も近く公開。北方領土ビザなし渡航の一つで、元島民らが古里を訪ねる「自由訪問」の上陸時の映像も配信を検討している。
千島連盟は元島民から2世ら後継者に活動を引き継ぐために、過去の書籍や映像記録のデジタル化を進めており、領土問題への関心を高めるため、ネットで公開した。山田浩事業第三課長は「公開した動画が北方領土への関心を高めるきっかけになってほしい」と期待する。(村上辰徳)
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