2021年2月19日、ユジノサハリンスクの全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロを拠点に、通信も利用し、オンラインとオフラインを組み合わせ、太平洋サケマスの国際会議が開催された。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2021/2/22)
実際に現地に出張し、当該会議に出席したロシア漁業庁副長官ソコロフは、自国の太平洋サケマスの資源研究について、内水面、沿岸ばかりでなく、沖合での当該資源の行動の監視を継続しており、その水準が、他国と比較して先進的だと評価、今後の課題は人工増殖事業の発展だと指摘した。
現在、世界で年間50億尾以上の稚魚が、人工孵化により放流されており、この1/4-1/5をロシアが占めている。ロシアの孵化場は73施設で、この内53施設がサハリン州で運営されている。
例外なく、押しなべて全ての国が、回帰率の低さに苦しんでいる。日本も1970年代から、大幅にシロザケの稚魚放流数を増加させたが、漁獲量は減少している。
2020年、日本に接続する南クリール沿岸でのシロザケの漁獲勧告量は2万6,000トンだったが、実績は4,500トン程度にとどまった。
科学研究機関には、稚魚放流を行う沿岸ごとに、より多くの研究プログラムを設定することが求められている。同国際会議に参加したカナダの代表者は、北太平洋沿岸の各地域において、一定の漁獲量を確保するために、稚魚放流の適切な時期、場所を実験的に選択し、データを収集することが必要だと指摘している。
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