根室市と根室管内別海町にまたがる風蓮湖の湖畔で16日、北米などに生息するハクトウワシが飛来しているのが確認された。昨年、根室管内などで確認された個体と同一とみられ、越冬のため飛来している可能性が高まった。(北海道新聞2021/1/26 )
野付半島ネイチャーセンター(別海)の藤井薫センター長が撮影した。ハクトウワシは国内では2001年7月に北方領土の国後島で初めて確認され、昨年1月下旬には別海町で本土初確認となり、同年3月中旬まで根室、釧路管内で目撃された。藤井センター長は今回確認した個体について、大きさや頭部の羽の特徴から昨年と同一とみている。
この個体は、風蓮湖で行われる氷下待ち網漁で、氷の上に残った魚を食べる様子が確認された。藤井センター長は「漁師が残した魚に依存している可能性がある」と話す。
ハクトウワシは米国の国鳥で両翼を広げた長さは約2メートル。幼鳥は全身褐色で5歳前後になると頭部と尾が白色に生えかわる。山階鳥類研究所(千葉県)によると、通常は北米大陸内の繁殖地と越冬地を南北に移動する。またワシ類には毎年同じ場所で越冬する「場所固執性」という習性がある。研究所は「昨シーズン、何らかの理由で方角を間違えて日本に来た個体が、今シーズンも再び飛来した可能性がある」としている。(田中華蓮、村上辰徳)
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