ロシア連邦漁業庁は、2021年の南クリル諸島海域(北方領土周辺)におけるマグロの漁獲推奨量を99.92トンに設定した。体長3~4m、600kgもあるマグロは動きが早く力も強い。効率的に漁獲するためには、特別な漁船や釣り道具、そして訓練された漁師が欠かせないが、サハリン地域にはそのような専門の漁船団は存在しない。このため、水揚げされるマグロはもっぱら混獲によってもたらされたものだ。ただ、サハリン漁業の歴史の中で、マグロ漁に成功した例がある。1970年代にはユジノサハリンスクの市場には青みがかった丸みを帯びた冷凍マグロが棚に並んでいた時期もある。近年はほとんど水揚げされていない。マグロはロシア人の食文化に合っていないのか。だが、ユジノサハリンスクの商店にはツナ缶が常に置かれているのを見ると、需要は確かに存在するのだろう。今年、サハリンの漁師はマグロの魅力をもっと伝えてくれるかもしれない。(サハリン・インフォ2021/1/7)
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