1週間前、択捉島レイドヴォ(別飛)の老朽化した「緊急住宅」に住んでいた39家族が新築アパートに移住したが、空っぽになるはずの「緊急住宅」に、取り残された家族が複数いることが分かった。古い住宅は年内にも取り壊される予定という。レイドヴォのゼレナヤ通りにある3棟の「緊急住宅」–。その9号に住むタチアナ・ルスさんは、地元行政府から新築アパートに移住する権利がないとされた。9号は2014年に「緊急住宅」に指定され、2019年に所有者のルスさんはクリル地区行政府との間で、現住戸の取り壊しと新築アパートへの住み替えに関する契約にサインした。しかし、今年6月、ルスさんは移住の資格がないという通知を受けた。2019年に法律が変更になったためだという。ルスさんは2016年に本土に小さな部屋を購入した。通院・治療のために滞在するための部屋だったが、法律が変わり、本土に別の住宅を購入した場合は、住み替えの権利を失い、老朽住宅からの立ち退き補償のみとなった。法律の施行は2019年で、ルスさんが本土に部屋を購入した2016年までさかのぼって適用されないはずだが、行政は決定を変えなかった。ルスさんは裁判を起こしたが、判決までには時間がかかる。また、サハリン州の人権擁護委員会にも相談しているが、老朽化した「緊急住宅」は今年中に取り壊されることになっており、冬を前に住むところも決まっておらず不安な毎日を送っている。(サハリン・インフォ2020/10/8)
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