クリル発展計画の財源問題 サハリン州議会が国の資金拠出を求めた

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 サハリン・クリル通信2020/5/28

サハリン州議会はロシア極東北極圏発展省のコズロフ大臣に対して、現在サハリン州がほぼ全額を負担しているクリル諸島社会経済発展プログラムの資金について、連邦政府が資金提供するよう強く求めた。州議会によると、2016-2019年に州政府は70を超える事業に対して97億ルーブル以上を拠出し、道路や住宅、社会・文化施設などの建設を進めた。これに呼応するように企業投資も活発化し、国後島色丹島では水産加工場の建設に数十億ドルの投資が行われている。さらに択捉島を含めてサケマスの孵化場、観光インフラ整備も進んでいる。これは3年前に、連邦政府財務省ががクリル発展プログラムへの資金拠出を2022年まで延期したことによる。サハリン州政府と議会はこれに同意し、クリル発展プログラムにかかる予算の全てを負担してきた。しかし、2018年には法律が変わり、石油・天然ガスプロジェクトからサハリン州に入ってくる税収が大幅に削減された。それまで75%が州、25%が連邦だったが、今は逆転して州の取り分が25%に低下した。こうした状況を踏まえ、州議会は連邦政府が2021年からクリル発展プログラムへの資金提供を行うよう要請した。

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