❐北方四島の話題
サハリン・インフォ 2020/4/2ほか
連邦保護区「小クリル」(色丹島と歯舞群島)エリアで漁業を認めるかどうかが再び論争の的になっている。サハリン州水産企業協会はロシア天然資源省のドミトリー・コビルキン大臣に、連邦保護区「小クリル」エリアでウニとホタテ漁を禁止している理由を調査するよう求める要請書を送った。同協会のマキシム・コズロフ会長は「以前はウニやホタテの漁が行われていた」として、漁業組織の権利を回復するよう訴えている。保護区の規定に準拠してウニやホタテを採捕することは可能だが、その場合、生産量や生産方法、生産地域について天然資源省と合意する必要がある。保護区「小クリル」を管理しているクリル自然保護区は水生生物を保護する必要性を指摘している。一方で、漁業、水産加工業は国後島、色丹島など南クリル地域の住民の少なくとも30%の雇用を創出している。漁が禁止されていることにより、毎年1,290万ドル(約13億9000万円)の外貨を逃している。「コロナウイルス感染拡大により経済危機に直面している今、南クリル諸島の中小企業の活動を制限していると、経済的損失だけでなく社会的緊張を招く可能性がある」と訴えている。連邦水産庁サハリン・クリル事務所によると、今年に入ってからのサハリン州企業によるウニの生産量は2,050トン。このうち連邦保護区「小クリル」エリアを除く南クリル海域での生産量が2,007トンを占めている。南クリル海域での今年のホタテの生産量は25トンである。連邦保護区「小クリル」を巡っては、最近サハリン州指導部がコンブ漁解禁を要請している。
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