サハリンで映画制作 アメリカ潜水艦によるソ連の「レンドリース」輸送船撃沈事件

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 サハリン・メディア 2020/1/21 

非営利組織「サハリン映画制作者協会」が第二次大戦末期、ラぺルーズ海峡(宗谷海峡)で米国潜水艦の誤爆により沈められたソ連輸送船の悲劇を描いた映画「アナスタシア岬の謎」の撮影を開始した。事件は1945年6月に起きた。当時、米国はレンドリース協定に基き、ソ連に対して対日参戦に必要な軍需物資を供給していた。米国とソ連極東の間で、数十隻のソ連輸送船が使用された。主なルートは太平洋からクリル海峡(占守海峡)を通ってオホーツク海に、ラぺルーズ海峡を経て日本海に入るルートだった。最も危険な海域はサハリン沖だった。沿岸には機雷が敷設され、日本の軍艦や戦闘機、米国の潜水艦や巡洋艦が入り乱れていた。こうした状況で、米国の潜水艦が日本の輸送船団を攻撃した時に、誤ってソ連の輸送船に魚雷2発を撃ち込んだのだった。乗員99人のうち94人がボートで脱出したが、日本軍の捕虜となり、サハリンのネべリスク(本斗町)に連行された。この事件はソ連ナチスドイツに勝利した後、日本に対する宣戦布告までの3カ月の間の、いわば平時に起きた。映画の原作はサハリンの教師で歴史家のアレクサンドル・チェルノコフ氏。アレクサンドル・サリチコフ氏が監督を務め、大統領基金から250万ルーブル以上の補助を受けて制作する。撮影の中で、実際に沈んだ輸送船の捜索も行われる。完成は2021年。

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