国後島 「幸せの木」を伐採した業者に罰金52万ルーブルの判決

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北方四島の話題

 サハリン・クリル通信2019/8/23

今年3月、国後島道路建設工事で、住民から「幸せの木」として親しまれていた樹齢数百年のイチイの木が伐採された問題で、サハリン地方裁判所民事法廷は伐採した請負業者に52万ルーブルの罰金を科す判決を言い渡した。イチイの木は樹齢500~800年で多くの台風や地震を生き抜き、アイヌや日本、ソ連時代を見守って来た。住民はお祝いや願い事があると、この木にリボンを結んできた。ロシアのレッドデータブックにも登録されており、南クリル行政府は観光名所として公式リストに載せ、ベンチを設置するなど周辺整備を計画していた。しかし、ユジノクリリスク(古釜布)—ゴロブニノ(泊)間の道路工事の過程で、請け負った「トルード」社の従業員が大切にされていた木とは知らずに重機で伐採してしまった。南クリル検察当局はトルード社を告発し、裁判となった。トルード社は工事に際して希少植物等に関する情報が適切に提供されていなかったなどとして、無罪を主張。5月の第一審ではトルード社が勝訴した。検察側は控訴し、工事に関する新たな文書を提出。その中で、伐採が認められていたのは幹の直径が16㎝から32 cmの樹木に限定されていたことが分かった。「幸せの木」は少なくとも82 cmあった。これにより、一審判決が覆り、トルード社は52万ルーブルの罰金を支払うよう命じられた。

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