❐北方四島の話題
サハリン・クリル通信2019/2/27
国後島と色丹島を訪問しているサハリン州のリマレンコ知事代行は「サハリン本島と択捉島、国後島間の航空運賃を一律片道5,950ルーブル(約1万円)に戻す」と述べた。州当局は2016年に経費節減を狙いに運賃補助制度を変更。サハリンやクリル地域に永住登録された住民に対してのみ補助を適用し、登録されていない乗客は片道15,000ルーブルとした。これによって、クリル諸島に永住登録している住民の子供や親せきで、サハリン地域以外に住んでいる人たちが島を訪れる際、高額な運賃を支払うこととなり、「子供や親せきにも会えなくなった」と不満が高まっていた。また、クリル諸島で仕事をするため一時的に住民登録をしている労働者たちも高額運賃の支払いを求められた。さらに運賃補助制度の変更で島々を訪れる観光客が急激に減少するなど観光産業にもマイナスの影響をもたらした。国後島、色丹島を訪問したリマレンコ知事代行は「多くの人にとって片道15,000ルーブルは不可能な支払いだ。それは観光の発展にも影響を与えている。私は決断した。今年夏以降、ユジノサハリンスクからユジノクリリスク(国後島古釜布)、とクリリスク(択捉島紗那)への運賃は、永住登録の有無にかかわらず一律5,950ルーブルにする」と語った。また、知事代行は現在国後島と色丹島で運航しているヘリコプターのフライトを択捉島まで拡充することも明らかにした。
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