北方領土・択捉島の中心地クリリスク(紗那)に、ウクライナ東部での特別軍事作戦で祖国を守るために命を捧げた兵士たちを称え、記念するロシア正教の礼拝堂が建てられた。ウクライナで兄を亡くした島の起業家アレクサンドルとドミトリーのゴルチャエフ兄弟が私費で建設した。
5日には、サハリンと南クリル教区のニカノール大司教による奉献式が執り行われ、市長など行政関係者、地元教区民、特別軍事作戦の参加者と退役軍人、「ロシア人コミュニティ」の代表、「ワグネル」部隊の退役軍人らが出席した。
ニカノール大司教は「特別軍事作戦の戦士である我々の兵士たちを記念するサハリンで初めての礼拝堂です。択捉島では特別軍事作戦で亡くなったクリル諸島の住民を記念する公園も建設される予定です。祖国を守る勇敢な兵士たちの記憶を、世代から世代へと伝えるのはロシアの伝統です。これが我々の国民を強くし、我々の軍隊を強くするのです。我々が後方の奥深くで平和に暮らしていけるのは、まさに我々の最も素晴らしい、最も強い兵士たちが前線にいるからです」と語った。
さらに「ロシア人が来た所はどこでも、必ず教会を建てた。祖国の西の国境から東の国境まで、どこにいても、十字架のついた丸屋根が必ず見える。これは、ここがロシアの土地であり、他の誰の土地でもないという証拠だ。そして、もし誰かが「北方領土」について幻肢痛(事故や病気などで手や足を失った後に、失ったはずの手や足に痛みを感じる状態を指す)を感じているなら、そのことを永遠に忘れさせなければならない」と述べ、ゴルチャエフ兄弟と礼拝堂の建設に関わったすべての人に感謝した。
英雄たちを語り継ぐ「記憶の広場」も建設
1分間の黙祷と軍衛兵による3度の葬送砲の後、将来の特別軍事作戦に参加した兵士を称える記念公園「記憶の広場」の基礎に象徴的な石を置く式典が行われた。「記憶の広場」は、クリリスクの住民や来賓が勇敢に倒れた兵士たちの記憶に敬意を表すことができる場所となる。
礼拝堂に掲げられたイコンは、ドネツク教区ヴォルノヴァハ市の聖悲しみの教会の教区長から択捉島の教区長、ロマン神父に贈られたものだ。このイコンは、ウクライナ軍の砲弾が当たった建物から奇跡的に生き残り、同胞によって発見され、その後聖職者に渡された。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2024/12/5)





