2年半前、北方領土・択捉島レイドヴォ村(別飛)のオーリャ湾(オーヨ)へ通じる道路は、曲がりくねった危険な下り坂と古い橋がある、択捉島ではごく普通の未舗装道路だった。今では、全長996メートルのアスファルト道路に変わり、信頼性の高い近代的な波形アーチ橋が建設された。
この道路の工期は2026年までとされていたが、請け負ったサハリン有数の漁業・建設会社で択捉島発祥のギドロストロイは、いつものように予定より早く工事を完了した。
同社は、この道路建設のために、ネジニ採石場エリアに新しいアスファルト工場を購入し、1日320トンを生産する体制を整備した。そして、週7日間、アスファルトを積んだ積んだトラックがレイドヴォの現場に供給した。
ギドロストロイの建設・道路工事の責任者であるオレグ・ミハイロフ氏は言う。
「私たちはこの作業を 3 段階で実施しました。第 1 段階では、長さ 440 メートルの区間に 2 層 (下層と上層) を敷設し、第 2 段階では次の 330 メートルを敷設。残りの 200 メートルは、オーリャ川にかかる橋がまだ準備できていなかったため、翌年まで延期されました」
橋の遅延は請負業者の責任ではなく、測量士のミスだった。簡単に言うと、彼らは土壌の複雑さを十分に考慮していなかったため、橋のコンクリート構造物が立つ支持部の長さを増やす必要があった。
「アーチ橋の耐荷重を再計算する必要があり、その結果、掘削杭の長さが著しく増加し、2 つの支持部それぞれに 8 本の杭が打ち込まれました」とオレグ・ミハイロフ氏は説明した。
言葉で言うと簡単に聞こえるが、プロジェクトの変更や専門家の評価を待つ必要があり、これに3〜4カ月かかった。そして、今年11月にすべてが完了し、検査が行われた。
オーリャ湾への道路の再建は、連邦予算とサハリン州予算、地元の漁業・水産企業クリリスキー・ルィバクからの資金で賄われた。このプロジェクトへの企業の財政参加が必須条件だった。同社は 2,200 万ルーブルを負担した。
注) オーリャ湾にはギドロストロイ・グループのクリリスキー・ルィバクの水産加工場と孵化場があり、アクセス道路はそれらの施設に通じている。いわば受益者負担だが、請負工事を受注しているのはギドロストロイ本体。連邦政府、州政府、地区行政とギドロストロイが一体化している。ギドロストロイを巡っては、地元行政府が内岡にある同社の高級ホテルに通じるアクセス道路を整備しており、一部メディアで批判されている。
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工事の最盛期には、最大 70 人が作業し、さまざまな重機 12 台が投入された。
地元住民はすでに、滑らかでガラスのような道路の品質を高く評価している。今後、湾内に小型船舶を停泊させている所有者のために、道路から湾に下りるスロープが造られる予定だ。
択捉島の住民は、10 月に島を訪れたサハリン州のリマレンコ知事にこの要望を伝えたたところ、州運輸道路施設省のジョゴレフ大臣が「市当局は既に、スロープの設計および見積り文書を作成するよう指示されている。このプロジェクトは2025年春に実施される予定である」と回答した。
レイドヴォ村では、ユビレイナヤ通り、ストゥデンチェスカヤ通り、レスナヤ通りの3つの道路の再建が行われている。ギドロストロイの従業員約40人が作業をしている。工期は2026年までだが、同社は2025年前半に完成させる予定だ。
同社のミハイロフ氏は「レスナヤ通りは完全にアスファルトで舗装されており、車道と両側の歩道の両方が完成している。ストゥデンチェスカヤ通りも同じ状況。そして、ユビレイナヤ通りの舗装は40%で、残りの60%は来年完成する予定です」と話す。
3つの通りの整備は2019年5月に承認された連邦プログラム「農村地域の総合開発」の枠組み内で実施されている。サハリン州では、プログラムの実施管理は州政府とリマレンコ知事が個人的に行っており、知事の択捉島訪問プログラムに、道路プロジェクトの作業の進捗状況の確認が必ず含まれているのは偶然ではない。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2024/12/8)