北方領土・国後島のクリル自然保護区 2024年の観光客数5,000人超え 5年で4倍に増加

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国後島のストルブチャーティ岬(材木岩)を訪れた観光客のグループ

国後島にあるクリル自然保護区が2024年の訪問者数をまとめた。12月10日時点で5,025人に上り、昨年の4,673人から352人(約8%)増加した。それ以前の訪問者数は2022年4,228人、2021年3,234人、2020年1,740人、2019年1,325人だった。この5年間で訪問者数は約4倍になった。

数日かかる「チャチャ火山(爺爺岳)」ルートを歩くハイカーのグループ

2024年の訪問者は男性と女性はほぼ同数で、18 歳未満の子供 315 人、高齢者 457 人、18 歳から 54 歳が 4,253 人だった。

クリル自然保護区は今年、3つのルートで観光客を含めて訪問者を受け入れた。最も人数が多かったのは「ゴロヴニン火山(泊山)カルデラ」で4,318人、次いで「チャチャ火山(爺爺岳)」569人、「ペシャノエ湖(東沸湖)」138人となっている。

保護区の領土(ユジノクリリスク=古釜布、ゴリャチイ・プリャジ村=瀬石、ラグンノエ村=ニキシロ、オトラダ村=近布内、ゴロブニノ村=泊)を訪れた地元住民(国後島)は797人。サハリンからは482人、ロシア本土から3,720人が訪れた。

また、今年、保護区を訪れた外国人は26人(2023年に比べて増加)で、ベラルーシが13人で最も多く、イスラエル6人、カザフスタン、中国、ルーマニア、米国、トルコ、スイス、エストニアから各1人が訪れた(図1)。日本とロシア間のビザなし渡航は、2022年3月から中止されている。

今年、ロシア人観光客は国内 70 以上の都市や地域からやって来た。 (図 2)。観光客数で 1 位は伝統的にモスクワ (1,329 人) で、今年は 2 位がサンクトペテルブルク (822 人)、3 位がサハリン住民 (482 人)、以下ノボシビルスク (375 人)、クラスノヤルスク (321 人)、エカテリンブルク (214 人)、ニジニノヴゴロド (189 人) が続いた。

ゴロヴニン火山(泊山)のカルデラにあるキピャシチェ湖(ポントウ湖)

保護区を団体で訪れたツアー客は2,267人。ツアーオペレーター別にみると、オメガ+(ユジノサハリンスク)454人、トゥルクラブピーク(サンクトペテルブルク)365人、クナシルツアー(ユジノクリリスク)362人、イエティツアー(エカテリンブルク)342人、サハリンとクリル諸島(ユジノサハリンスク)278人、KSPスプートニク(エカテリンブルク)178人、アミスト(ユジノサハリンスク)71人、ビトモ(ユジノサハリンスク)45人、その他の観光団体(12団体)172人。(図3)。

今年の訪問者のうち2,758人は個人で訪れた。保護区に直接連絡し、個別のガイドと一緒にルートを訪問した。

観光客やボランティア、実習生へのアンケート調査により、保護区を訪れる平均的な訪問者のポートレートがまとめられた。それは、高等教育を受けた31~40歳の女性で、保護区での滞在期間は1日未満(宿泊なし)。クリル保護区は初めてだが、以前に国内の他の地域の保護区や国立公園を訪れたことがある。家族や友人、同僚と一緒に旅行することがよくある。国後島ではホテル、ゲストハウス、賃貸アパートに泊まることを好む。

2025 年 3 月 1 日から、ロシア全土でツアー・サービスを提供する権利を持つのは、認定を受けたツアー・ガイドとインストラクターのみとなる。認定を受けていない場合は、保護区の職員のみが保護区内でツアーを実施する権利を有する。(クリル自然保護区ウエブサイト2024/12/11)

チャチャ火山にある展望台から国後島北部の望む
「チャチャ火山」ルートへ向かうクリル自然保護区の全地形対応車 (雪上・湿地用車両)
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