北千島シュムシュ島で国際捜索隊200人がソ連兵の遺骨収集
大祖国戦争の勝利、そして軍国主義日本に対する勝利と第二次世界大戦の終結80周年を迎える2025年、サハリン州では数十の愛国的なイベントが計画されている。
最も重要なイベントは、北千島シュムシュ島への国際捜索隊の遠征だ。ロシア全土はもとより、ベラルーシやカザフスタンからもソ連兵の遺骨収集のための捜索隊が参加する。サハリン州のヴァレリー・リマレンコ知事が議長を務めるサハリン「勝利」組織委員会の会議で発表された。
知事は「来年は大勝利80周年の年です。南サハリンとクリル諸島の解放も祝います。当時の出来事に関する真実を保存することは重要です。調査員のおかげで、私たちは真の歴史を永続させています。歴史を書き換えようとしている時代に、これは貴重なものです」と強調した。
ソ連軍と軍国主義の日本との最後の大規模な戦いはサハリンで行われ、第二次世界大戦は終結した。赤軍はシュムシュ島の要塞地帯にいた、優勢な敵軍を勇敢に打ち負かした。
サハリン州のセルゲイ・バイダコフ第一副知事は「1945年8月18日のクリル上陸作戦中、シュムシュ島ではソ連の空挺部隊が日本軍を撃退するために戦いました。この偉業は永遠に国とサハリン州の歴史に刻まれます。その重要性と軍事的勇気の例として、1941年11月にモスクワに迫るドイツ軍の戦車隊を阻止した28人のパンフィロフの英雄たちの偉業に匹敵するものです」と指摘した。
プーチン大統領は今年9月、東方経済フォーラムの会議でクリル上陸作戦(北方領土を含む千島列島への上陸作戦)の記憶を永続させるよう命令した。実施作業チームはリマレンコ知事と大統領公共事業局のセルゲイ・ノビコフ局長が率いている。


ソ連軍が攻撃開始した日に軍事愛国博物館がオープン、戦いを再現
2025年8月18日、まさに80年前のこの日、ソ連軍が攻撃を開始したシュムシュ島に「軍事愛国博物館」がオープンする。史跡では、軍事装備など遺品の保存、要塞の整備、塹壕の修復などの準備作業が行われる。これまでに捜索隊が発見した遺品も展示される。
6月1日から8月30日まで、シュムシュ島には國際捜索隊のキャンプが設営され、ロシア国内外の活動家、工兵、歴史家、人類学者、博物館職員、学生など約200人が生活し、発掘作業に従事する。捜索隊が発見したソ連兵の遺体は、軍事記念碑に敬意をもって埋葬される。
8月18日には、シュムシュ島で、国民運動「ロシア歴史再現クラブ」によって、シュムシュの戦いが再現される。
また、夏の間中、シュムシュ島内に全長52キロメートルの観光ルート「シュムシュ島の道」が設定される。ルートには戦場、トーチカ、砲台、飛行場、高地など、14の歴史的ポイントが含まれている。
サハリン本島でも軍国主義の日本に対する勝利の日と第二次世界大戦の終結である2025年9月3日に合わせて、2つの戦のが再現される。ホルムスクでは、カムイショフ峠の要塞地帯への襲撃の出来事が再現され、スミルヌイフ地区では、ハンダス警察署への襲撃が再現される。北緯50度線に近いロシチノ村では、「南サハリン攻勢作戦」博物館が開館する。
スミルヌイフ地区の責任者であるイリーナ・カルプコワ氏は「2023年にサハリン州知事は野外博物館の建設を決定しました。建築コンセプトが形成され、設計文書の開発作業が開始されました。今年は博物館建設の第1段階が完了しました。敷地の緑地化、駐車場、アクセス道路の整備が完了し、観客席も整備されました。来年も博物館建設作業は確実に継続されます。2025年7月1日までに、土塁、銃眼、地下通路、トーチカ、対戦車溝の再建、駐車場の整備など、第2段階の作業を完了する予定です。博物館のすぐ近くに公園が造成され、敷地内に戦死した国境警備隊員を称える記念碑が設置される予定です」と述べた。(astb.ru 2024/12/16)

