「ここは別の惑星」モスクワの旅行写真家が北方四島の自然を撮る

国後島の話題

ロシアの自然保護区などを訪れ、撮影した映像を環境教育のために無償で提供しているモスクワの旅行写真家夫婦、エレナ・シチプコワさんイーゴリ・ドミトリエフさんが国後島のクリル自然保護区を訪れた。夫妻が「別世界」と称賛する国後島を訪れるのは2度目。

環境教育プロジェクト「プロザポヴェドニク」に取り組むエレナさんとイーゴリさんは、2019年からロシアの特別保護自然地域(SPNA)を旅し、動植物の写真やビデオを撮影している。

「このプロジェクトの本質は、観光で保護区を訪れるだけでは見ることができない美しい自然を見せること。特別に保護されている自然地域に利益をもたらすことです」とエレナさんは言う。

2019年、夫妻を最初に受け入れたのは、ニジニ・ノヴゴロド州のケルジェンスキー自然保護区だった。「私たちはコラ半島(ノルウェーとの国境)から南クリル諸島(日本との国境)まで旅行しました。南から北へ、モンゴルとの国境(ウブスヌール盆地)から北極海の海岸まで、ロシアの26の自然保護区と国立公園で歓迎を受けました」とイーゴリさんは誇らしげに語った。

そして環境教育に利用してもらうため、夫妻は撮影したすべての映像を保護区に無料で寄付している。

「クリル諸島は他の場所と比べると別世界です。別の惑星、すべてが違います。自然も海も違います」とイーゴリは称賛する。

誇り高きオオワシは渡りの時期に国後島を訪れ、そのうちの何羽かは冬の間ずっと留まる

今回、夫妻の目的は、越冬のために国後島に飛来するオオワシを撮影することだった。「まだ夢のようなショットはありません。何枚かはいいのはありますが、写真展で披露しても恥ずかしくない写真が 1 枚欲しいのです」とイーゴリさんは言った。

しかし、写真家と保護区にとって大きな成果となったのは、12月4日に南クリル岬(大岬)で約50頭のトドの大群をクローズアップで撮影できたことだ。絶滅危惧種のタンチョウやオジロワシの写真もうまく撮ることができた。

古釜布湾のトドの群れ

今後、夫妻は、オオカワセミやシマフクロウなど、なかなか見られない国後島の動物たちの写真を撮りたいと考えている。そして、エレナさんの夢はヒグマだ。「国後島では2年連続でクマが見つかっていないんです!逃げられてしまうんです。私の仕事は野生のクマを撮影することです。他の場所(択捉島やコラ半島)ではたくさん撮影したのですが、国後島ではうまくいきませんでした」と残念そうに話した。

ここ数年、夫妻の写真は、全ロシアのフェスティバル「原始ロシア」に出品されている。撮影したビデオは、国際コンテスト「ロシアの驚異」にも繰り返し参加し、毎回トップ3に入っている。2023年には、クリル諸島をテーマにしたスライドショーを発表し、1位を獲得している。(sakh.online 2024/12/19)

若いオジロワシが飛んできて、トドの群れに向かって降下した
ゴロヴニンスキー断崖、いつまで眺めても飽きることがない
クロガモの群れ。数羽のオスが注意を引こうとメスの周りを回っている
根室海峡、厳しい冬を前に
国後島のオホーツク海側。秋の終わりの黄金色の丘
トドの群れ
チャチャ火山(爺爺岳)は、空気がより透明になる寒い季節には、国後島の最南端ベスロフスキー半島(ケラムイ崎)からも見える
ゴロヴニン火山(泊山)のカルデラにあるキピャシチェ湖(ポントウ湖)とゴリヤチェ湖(一菱内湖)
メンデレーエフ火山(羅臼山)は、徐々に霜と雪に覆われていく
オオハクチョウ。川はまだ凍っていない
カモメは晩秋に国後島に現れる。冬は、頭と首は茶色の斑点で覆われる
国後島では鵜(ウ)の交代が見られる。夏にはウミウが巣を作り、冬が来るとヒメウが取って代わる
エナガは、長い尾を持つふわふわのボールのような鳥で、国後島には一年中生息している
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