野良犬や野良猫がいることは、私たちにとっては当たり前のこと。路上で生まれたものもあれば、飽きられたおもちゃのように飼い主に家から放り出されるペットもいる。
しかし、牛が野良になるのは、おそらく異例のケースだろう。択捉島ゴルノエのアパートのゴミ捨て場で餌を食べている雄牛でさえ、飼い主がいて、帰る場所がある。
しかし、レイドヴォ村(別飛)の牛には、そんな機会はない。野良牛は村中を歩き回り、食べられるものは何でも食べる。ゴミ捨て場にはよく来て、子供たちが餌をやる。飼い主がいる牛と合流し、思いやりのある飼い主から餌をもらうこともある。しかし、その飼い主は野良牛を引き取る勇気はない。本当の飼い主が現れて、窃盗で訴えるかもしれないからだ。
情報と写真を入手し、私たちはどうしてこんなことが起きるのか調べ始めた。そして、この野良牛には飼い主がいることが判明した。農民農場を登録した地元住民である。しかし、この農場は書類上だけの存在のようだ。地元住民によると、彼の動物たちは鉄の檻と土と汚物の中で暮らしていたという。そして、農場全体が崩壊した。
この農民は行政府からの電話やメッセージには応答せず、連絡も取らない。牛を世話してくれる人に譲ったほうが良いのでは、と思うが…(択捉島の地元紙「赤い灯台」テレグラム2025/1/9)