北方領土・択捉島の地元紙「一石三鳥、四鳥」発言を取り上げる「私たち島民には謝罪がない」

択捉島の話題
カット写真には南アフリカのヴァールプッツ(Vaalputs)廃棄物処分場と思われる写真が使われている

北方領土・択捉島の地元紙「クラスヌイ・マヤーク(赤い灯台)」が、「核のごみ」の最終処分場を北方領土に建設する提案に対して、NUMO(原子力発電環境整備機構)の幹部や経産省職員が「一石三鳥四鳥だ」「魅力的な提案」などと発言した問題を取り上げている。

記事の内容は「sakh.online 2025/1/30」付の記事の焼き直しだが、同紙は「北海道庁は北方領土に対する理解や配慮に欠けた発言は大変遺憾と抗議したが、もしこの怒りがなければ、クリル諸島(北方領土)の住民はこの議論について知ることはなかったかもしれない。いずれにしても私たち島民(注:ロシア人島民のこと)に謝罪する人はいなかった」などと書いている。

赤い灯台2025/2/1より
日本の当局者らは、また突飛なアイデアを思いついた。それは、原子力発電環境整備機構 (NUMO) の公開説明会で表明された。議論のテーマは、高レベル放射性廃棄物の処分場を北海道に設置する問題だったが、当局者は「一石三鳥、四鳥」として、南クリル諸島(北方領土)を選択肢として提案した。

しかし、数日後、この突飛なアイデアの立案者は、あらゆる意味で謝罪を余儀なくされたと、「北海道新聞」は報じている。

南クリル諸島は、日本では依然として「日本の固有領土」とみなされており、「北方領土」と呼ばれている。そして、彼らは、いつか返還できると甘く信じている。彼らの地図では、ロシアの島々は北海道北東部の根室振興局の行政区域に含まれている。

説明会に出席した一人は、「北方領土」に処分場を建設し、ロシアをこのプロジェクトに参加させることを提案した。伝えられるところによると、この条件の下では、島々の返還問題は解決できる(?!)。

経済産業省の代表者はこれに対して次のように答えた。「それが可能であれば、このアイデアは非常に魅力的に思えます」。そして、NUMOの理事である植田昌俊氏は、この解決策は「一石三鳥、四鳥」という意見を表明した。

これは、会場の入り口近くのベンチに座っている老婦人が言ったのではなく、高官によって公に提案されたことに留意する必要がある。

しかし、すぐに当局者は発言について謝罪しなければならなかった。この話題は、我が国というよりも日本国内で広く世論の反響を呼んだ。北海道庁や元島民は、経産省とNUMOに対し、「北方領土が北海道の一部であることに対する理解と配慮が足りない」として口頭で抗議した。ちなみに、日本側の怒りがなければ、サハリン島とクリル諸島の住民はこの議論について知ることはなかったかもしれない。いずれにしても私たち島民に謝罪する人はいなかった。

日出ずる国(注:日本のこと)の役人は突飛な発言の達人だ。sakh.onlineポータルは、この点に関して2019年5月に起きた事件を回想している。日本の国会議員、丸山穂高氏はビザなし交流で国後島を訪問した際、酔っ払って軍事的手段で島を返還できるなどと発言した。彼の発言の録音が日本で公になり、スキャンダルが勃発した。丸山氏自身は酔いが覚めて(日本国民に)謝罪したが、政治生活から追放されることはなかった。

しかし、もっと腹立たしいのは、我が国でもかつて同じような突飛な考えが表明されたことがあり、それも一般市民によるものではなかったことだ。例えば、2000年代初頭、ロシア原子力省はシムシル島(注:千島列島中部)を処分場の候補地として検討し、クルチャトフ研究所の廃棄物や外国の放射性物質を処分する計画だった。しかし、世論の圧力により、この計画は中止された。

現時点で処分場の候補地として最も有力視されているのは、北海道南西部の寿都村と神恵内村だ。北海道新聞によると、関連文書はすでに準備されているという。

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