500~600人のロシア人観光客が、米客船運航大手ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)のクルーズ船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」に乗船したまま日本の横浜港に足止めされている。
その多くは母国への帰りのチケットが無効となり、新しいチケットを30万ルーブルで買い直さなければならないと心配している。ロシア人観光客はロシア領事館と日本当局に、高額な帰国チケットが無駄にならないよう上海行きの航空便を提供するよう要請している。
7日、ロイヤル・カリビアンのウエブサイトは、客船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」(17万トン)がエンジントラブルで横浜港に足止めされていると報じた。この船は中国から日本へ向かう途中で、9日に上海に戻る予定だった。しかし、到着予定11日に延期された。
船は正常に機能しており、乗客はデッキでくつろいだり、食事をしたりできる。
ロシア紙RBC(電子版)によると、客船には約500~600人のロシア人が乗っている。多くが中国からロシアへの帰りのフライトに乗り遅れる危険にさらされている。乗客は横浜から上海に行くために港を出ようとしているが、会社の経営陣は乗客を船から降ろしていない。
「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」の乗客マリーナさんは、イズベスチヤ紙に船内の状況を語った。マリーナさんによると、定期船には、チケットの有効期限が迫っている年金受給者を含む多くのロシア人が乗船しているという。
彼らは11月9日にロシアに帰国する予定だったため、パニックに陥っている。マリーナさんは、特に上海からモスクワまでのフライト料金が現在30万ルーブルであることから、誰もが別の日付のチケットを購入できるわけではないと指摘した。
同時に、マリーナさんは、乗客は日本大使館から支援を受けることができないと付け加えた。同社が乗客に船から降りることを許可していないためだ。
「大使館は私たちに、『ロイヤル・カリビアン・クルーズ会社が下船させてくれるなら、私たちがあなたを助けることができます』と言いました。東京から上海までのチケットは100ドルで、飛行機で行くことは十分可能だと分かりました。しかし、会社は私たちを降ろしてくれず、パスポートも渡してくれません」とマリーナさんは言った。
また、会社の代表者は乗客とコミュニケーションを取ろうとせず、ロシア語を話す従業員は全員チェックインカウンターから「突然姿を消した」とも話した。
日本で足止めされたクルーズ船のロシア人観光客への補償
ロイヤル・カリビアン・インターナショナルは、客船の故障によりチケットが無効になった乗客全員に、航空運賃全額と、必要に応じて上海での宿泊費を補償することを約束した。当初の補償額は、国内線に乗り遅れた乗客には200ドル、国際線に乗り遅れた乗客には400ドルのみだった。(イズベスチヤ2024/11/7)

