サンクトから「世界の果て」国後島へ移住 クリル自然保護区で働くツィデンコワさん

国後島の話題

ユネスコが制定した「平和と開発のための世界科学デー」の11月10日を前に、北方領土・国後島のクリル自然保護区は、サンクトペテルブルクから「世界の果て」に移住し、保護区のエンジニアとして働くアナスタシア・ツィデンコワさんの物語をウエブサイトで紹介している。

ツィデンコワさんは、現在保護区のセキュリティ部門で国家検査官として働いている夫のミハイル・ラギモフさん共に国後島にやって来た。

アナスタシア・ツィデンコワさんと夫のミハイル・ラギモフさん

「夫は世界中に友人がいて、ある日、国後島の友人から保護区のセキュリティ部門の仕事の誘いを受けました。2020年の秋でした。よく話し合って考えた後、私たちは世界の端っこに引っ越すのはそれほど悪い考えではないと判断しました。当時私たちはサンクトペテルブルクに住んでいて、そこでは個人の交通手段がなくてもうまくやっていましたが、島では車なしではどこにも行けないので、運転を習い、車を購入し、荷物と2匹の猫を連れて、2021年8月に国後島に来ました」とアナスタシアは言いった。

彼女の保護区でのキャリアはボランティア活動から始まった。9か月間、科学部門と環境教育部門を支援した。そして、夫とともにさまざまなルートを歩いた。2021年から2022年の秋冬には、サラトフスキー・コルドンとアンドレーエフスキー・コルドンに住んでいた。そして2022年4月から、アナスタシアさんは科学部門のエンジニアを務めている。

「科学部門では、すべての職員が多才であり、私も例外ではありません」とアナスタシアさんは言う。

彼女の仕事はいくつもある。保護区の気象データベース、カメラトラップの管理、地震や氷の状態、哺乳類、魚、昆虫などの調査。ネイチャーカレンダーのデータを収集して処理し、毎年発行されるネイチャークロニクルの記事の編集にも携わっている。

科学部門の責任者であるエレナ・リンニク副所長とともに、保護区の植物季節学的観察を行っている。経験豊富な植物学者である副所長は、若い職員に多くのことを教え、今日まで彼女を指導し続けている。

「南クリル諸島(北方四島)のような美しい場所に住んでいると、遅かれ早かれ、周囲のすべてを写真に収めたいという欲求が湧いてきます。そこで、すぐに写真機材を購入しました。同僚たちと一緒になって、保護区の写真ライブラリの補充に積極的に参加するようになりました」とアナスタシアさんは語る。

彼女の写真は、組織の写真バンクの重要な部分を占めており、さまざまな記事の出版や記念品、写真展で使用されている。

「私は勉強が大好きです。私の興味は頻繁に変化します。教育を受けることに対する私の考え方はかなり古典的です。そのため、私はさまざまな学位を持っています」とアナスタシアさんは自分自身について話す。

イルクーツク国立研究大学で「広告と広報」の専門分野で最初の高等教育を受けた。その後、専門学校で学びパティシエになった。今年、彼女はツアーガイドになるための勉強を終えた。現在、「エコロジーと自然管理」の専門分野で高等教育を受けながら、ドローンの操縦士になるための勉強もしている。さらにはプログラミングも…

「偶然、自然保護区のビジネスに携わることになってしまったのですが、この仕事に長く携わるつもりです。今はアイデアとモチベーションがいっぱいあります」(sakh.online 2024/11/8、クリル自然保護区ウエブサイトより)

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