世界で唯一の工業用レニウム鉱床である択捉島のクドリャヴィ火山(択捉島北東端の茂世路にある硫黄岳)で、精鉱からのさらなる加工と抽出のため、レニウムおよびレアメタルの試験的な工業生産が2年以内に開始される可能性がある。ロシアのレニウムプロジェクトの投資家の一人であるマキシム・コロボフ氏が報告した。
コロボフ氏は「このプロジェクトは現在、研究開発段階にあり、2015年から加速しています。選定された技術と発見に基づき、複数の特許を取得しており、現在はパイロットプラントの建設段階に移行しています」と述べ、プロジェクトは投資家の自己資金で実施されていると付け加えた。
プロジェクトでは、今後1~2年で択捉島産の希土類金属を含む精鉱を輸出し、さらに加工する予定。第一段階では、最終製品の量が数十キログラムになる見込み。投資家はまた、レニウムに加えインジウムとゲルマニウムの抽出もプロジェクトに含まれると明言した。
同社は毎年、クドリャヴィ火山に調査隊を派遣し、生命の危険を伴う地域での人々の滞在条件を調査し、有毒な高温ガスから希土類金属を抽出する方法を見つけるため様々な技術モデルを研究している。パイロットプラントでは、工業規模で原料を採取し、本土に輸送してさらなる処理を行い、精鉱から希少元素の抽出を開始できるようにする必要がある。(サハリン・メディア2025/4/16)
北海道神殿<四島ウオッチ> レアメタル採掘「たわごと」(2025/4/21)
ロシアが実効支配する北方領土・択捉島でレアメタル(希少金属)のレニウムの採掘構想が再び浮上している。国営メディアが今月、2年以内に試験採掘が始まる可能性があると報じたが、同様の計画は過去にも頓挫しており、実現性は疑問視されている。
レニウムは航空機のジェットエンジンなどに使用される戦略物資。国営タス通信は16日、ロシアの有限会社が実施するレニウム採掘プロジェクトに出資する投資家の話を紹介。来年か再来年中に択捉島北東部の「硫黄岳(クドリャブイ火山)」の火山ガスからレニウム数十キロの抽出を目指すとしている。
択捉島でのレニウム発掘構想は1990年代に浮上。20年ほど前にはロシア側が日本政府に共同開発を申し入れたが、日本側は「ロシアの主権を認めることになる」と拒否。15年には北方領土を事実上管轄するサハリン州政府が19~20年にレニウムの生産を開始すると発表したが、資金不足などで宙に浮いていた。
構想が再浮上したのは、ロシアのウクライナ侵攻を巡る停戦交渉で、米国が両国のレアメタルに関心を示したことが影響した可能性がある。ロシアのネット上では「簡単ではない」「たわごとだ」などと懐疑的な投稿が相次いでいる。