港湾施設が存在しない北千島の無人島シュムシュ島(占守島)で、対日戦勝と第二次世界大戦終結80周年を記念する軍事愛国キャンプと軍事史記念施設建設用の貨物を荷揚げする作業が本格化していてる。作業にはロシア太平洋艦隊の特殊クレーン船「KIL-168」と自走式はしけ2隻の合わせて3隻が活動している。
岸では大型クレーンが貨物を荷受けし、ランプ(折りたたみ式専用通路)を用いた安全な荷降ろしのために特別な堤防が整備されている。さらに、重機を使用することで、荷降ろしされた貨物の輸送を確実にするだけでなく、強い潮流(バイコヴォ付近=片岡では時速約9キロメートル)の中でも船舶を岸近くに留めておくことができる。
キャンプの建設作業と今後の活動に必要なすべてのものが「KIL-168」に積まれて到着した。イベントが開かれる夏の間、滞在するすべての人々の安全を確保するため工兵と偵察隊が活動する予定で、車両を含む特殊装備、テント、弾薬が運ばれた。
「このプロジェクトは大規模で、島で快適な生活環境を提供するには多くの機器が必要です」と、シュムシュプロジェクト事務所長のウラジミール・クッツ氏はコメントした。キャンプには、テントや水に加え、高速インターネットも備えられている。船には、自律発電機を備えた通信塔も搭載されている。
シュムシュ島に軍事史記念施設を建設し、愛国的行事を開催することは、1945年のクリル上陸作戦(※北方領土を含む千島列島上陸作戦)の英雄的な記憶を永遠に留めるために、プーチン大統領の命令によるものである。
記念館の第一段階の開館は2025年8月18日に予定されている。この日、シュムシュ島では、クリル上陸作戦の大規模な軍事史再現イベントが開催され、ロシア各地から再現者が参加する。このイベントは、軍国主義的な日本に対する勝利と第二次世界大戦終結80周年を記念する一連のイベントの中でも重要なイベントの一つとなる。
さらに、7月1日からは国際捜索隊が同島に派遣される。各国の活動家がソ連兵の遺骨を捜索する。遺骨は敬意をもって再埋葬される。戦争中に使用された武器、砲弾、その他の遺品は、将来の記念館の展示に加えられる予定である。(sakh.online 2025/5/18-19)

