国後島・色丹島の人口11,573人 水産加工生産額倍増133億ルーブル 平均月給19万8,000ルーブル 市長が2024年度行政報告

国後島の話題
国後島・古釜布

南クリル地区(国後島、色丹島、歯舞群島)の議会が6月18日に開かれ、ゴミレフスキー市長が2024年度の活動実績と行政活動に関する報告を行った。

人口状況 11,573人 出生数80人 死亡数62人

2025年1月1日現在、定住人口は11,573人で、サハリン州総人口の2.5%を占めている。このうちユジノクリリスク市(古釜布)の人口は6,994人で、全人口の60.4%が集中。農村部の人口は4,579人だった。2024年1月から12月までの出生数は80人、死亡数は62人だった。婚姻は74件、離婚は55組。

漁業生産量18万8,300トン 水産加工132億8,510万ルーブル

南クリル地区の主要産業は水産業で、30隻以上の漁船と輸送船を保有している。最も安定した企業はユジノクリリスキー・ルィボコンビナート、クラボザヴォーツク支店、クリリスキー・ルィバク、オストロブノイ・クラブ、デルタ、オストロブノイ・ルィボコンビナート、アルバコルで、地域の雇用を支えている。主な漁獲物はサバ、イワシ、スケソウダラ、タラ、ウニ、カレイ、コマイ、ニシン、オヒョウ。

2024年の漁業生産量は18万8,300トン。2023年(17万700トン)より10.3%増加した。水産加工品の生産量(魚粉を含む)は、2023年(11万5,300トン)と比較して65.2%増加し、19万500トンとなった。金額ベースでは、2023年(62億2,760百万ルーブル)と比較して2.1倍増加し、132億8,510万ルーブルとなった。

個人経営農家147軒

農業の基盤は住民による個人経営農家からなる民間部門で、農業団体は存在しない。2024年12月31日現在、147の小規模個人経営農家と5の個人経営農家(非商業・自給自足)が存在する。乳牛の飼育を行う個人経営農家には補助金が支給されており、2024年度の補助金は2,168万8,400ルーブル(サハリン州予算2,081万3,800ルーブルと地区予算87万4,600ルーブル)。この補助金は、配合飼料の供給費用の100%を補助するもの。

小売売上高26億7,780万ルーブル 小売店91、ホテル12軒

2025年1月1日現在、地区内には小売店91店舗、公共給食施設20(学校食堂4、企業食堂2、レストラン3、カフェ・ファーストフード店11を含む)、消費者サービス施設38、食品産業施設9、ホテル12軒が営業している。公衆浴場は3か所。2024年の小売売上高は26億7,780万ルーブル。

平均賃金月額19万8,000ルーブル

2024年12月時点での大規模・中規模企業の従業員数は4,206人、平均賃金は月額19万8,000ルーブル。サハリン州の平均(18万4,600ルーブル)より7.3%高くなっている。

地区予算は7,611万9,000ルーブルの黒字 過去5年で初

過去5年間で初めて、地区予算の歳入が歳出を上回り、2024年度の地区予算は7,611万9,000ルーブルの黒字となった。歳入は毎年増加しており、2024年度の歳入は2023年度と比較して16億6,106万ルーブル(46%)増加。このうち、地方税および非課税収入は5,548万5,000ルーブル(6%)増加した。南クリル地区は過去5年間、金融機関等から融資を受けておらず、2024年度には予算融資による負債を抱えていない。債務の延滞はない。

教育予算13億4,650万ルーブル

2024年12月31日現在、中等学校5校(児童・生徒数1,317人)、7つの市立幼稚園・保育園園(園児数622人)の12の教育機関がある。教育機関への財政支援は13億4,650万ルーブルで、前年度比25.5%(2億7,400万ルーブル)増加した。

文化予算3億3,430万ルーブル 郷土博物館4,907人が来館

地区には14の文化施設がある。6つの文化・レクリエーション施設、中央図書館(支部を含む)、2つの子供美術学校、郷土博物館がある。国後島と色丹島で125人が文化活動に従事している。2024年度の文化予算3億3,430万ルーブル。中央図書館の利用者数は5,370人、郷土博物館には4​​,907人が来館した。91人が子供美術学校で学んでいる。

色丹島・穴澗にアスファルト道路 国後島・古釜布に文化会館建設

国家プログラムの枠組みの中で、2024年に社会的に重要な施設9件が建設された。国後島ゴロブニノ村の中等学校と幼稚園、国後島オトラダ村(近布内)の診療所、色丹島クラボザボツコエ村(穴澗)の幼稚園(定員110人)、国後島ユジノクリリスク(古釜布)とオトラダ村を結ぶ道路(全長0.9km)の再建、色丹島クラボザボツコエ村の道路(全長1.81km)のアスファルト舗装、国後島「13km地点」エリアにおける電力供給用10kV送電線の敷設、国後島ユジノクリリスク市街地における文化開発センター建設。

集合住宅の建設ゼロ、戸建て30棟

2024年には集合住宅は建設されなかった。戸建て住宅30棟(総面積2,745平方メートル)が着工された。国家プログラム「サハリン州における高品質住宅供給」の枠組みで、老朽危険住宅からの住民の再定住のためユジノクリリスクで11戸の集合住宅が購入された。オトラダ村では3人以上の子どもを持つ世帯向けの土地開発工事が完了。老朽危険住宅47棟の集合住宅が解体された。

国後—色丹海上輸送224便運航 ヘリ定期便3,760人利用

国後島でのバス事業はユジノクリリスキー港湾公社が、色丹島は色丹住宅公社が行っている。2024年の運行回数は合計8,545回で、輸送された乗客数は8万8,900人だった。

地区内にはユジノクリリスキー港(国後島・古釜布港)、色丹島マロクリリスコエ港(斜古丹港)、クラボザボツコエ港(穴澗港)の3つの港がある。国後島と色丹島間の貨物・旅客海上輸送は、ユジノクリリスキー・ドッケルによって行われている。2024年は国後島—色丹島航路で224便を運航し、973.1トンの貨物を輸送した。ユジノクリリスキー・ドッケルの荷役量は3,700トンだった。国後島と色丹島間の貨物・旅客海上輸送には9,150万ルーブルの地方交付金が投入されている。

国後島と色丹島間の航空輸送はタイガ航空によって行われている。2024年には288便が運航され、3,760人が利用した。2023年(3,156人)より19.1%増加している。運航のための補助金は1億3,810万ルーブル。(kurilnews.ru 2025/6/20)

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