ロシア天然資源省の探険調査船「アカデミック・ショカリスキー」が7月から観光客を乗せた探検クルーズに新たに投入される。

ロシア天然資源省の広報サービスが報じたところによると、同船は今年合計7回の探検クルーズを計画。最初のクルーズは7月30日に予定されている。航路には、シャンタル諸島国立公園、ジュグジュルスキー自然保護区、マガダンスキー自然保護区、クリル自然保護区(国後島、色丹島、歯舞群島)、カムチャッカ自然保護区、タラン島自然記念物などを巡航する。
さらに、同省のもう1隻の探険調査船「プロフェッサー・クロモフ」は極東自然保護区を周遊するクルーズを12回実施する。同船の航路は、極東海洋自然保護区、クリル自然保護区、コリャークスキー自然保護区、ラゾフスキー自然保護区、モネロン島自然公園、ウランゲル島自然保護区、コマンドルスキー諸島、ベーリンジア国立公園を含む8つの自然保護区を通過する。
探険調査船は観光客にとってより身近な探検旅行を可能にする。クジラをはじめ鰭脚類の繁殖地や最大級の鳥類のコロニーの観察などが期待される。コンパクトで機動力の高い探検船は、自然を損なうことなく、アクセスが困難な湾や狭い海域にも入ることができる。
2025年と2026年が探検クルーズ観光の転換期になるととらえているサハリン州観光省のアルチョム・ラザレフ氏は「クルーズ観光の発展がインフラ整備と観光客誘致に繋がります。当局は自然保護と環境に配慮した観光の発展を約束します」と話している。
北方探検調査船を旅客輸送用に改造する作業は2023年に開始された。当時、ロシアのアレクサンドル・コズロフ天然資源・環境大臣は、プーチン大統領への特別自然保護区における観光開発に関する報告書の中で、陸路でのアクセスが困難な10の国立公園および保護区への航路開発について言及した。この目的のために、ロシア天然資源省の2隻の船舶、「アカデミック・ショカルスキー号」と「プロフェッサー・クロモフ号」を使用することが決定された。(paluba.media 2025/5/19、sakh.online 20205/7/16)

アドベンチャーガイドの「アカデミック・ショカリスキー号」による極東探検クルーズ「サハリン-クリル諸島(北方四島を含む千島列島)-カムチャッカ」10日間の旅で1人62万5,000ルーブル(7月17日のレートで118万7,500円)