占守島 千島列島上陸作戦80周年記念事業の準備整う 高さ4メートルの彫刻も

千島列島

クリル上陸作戦(※北方四島を含む千島列島へのソ連軍の侵攻)80周年記念事業の準備が、シュムシュ島(占守島)でほぼ完了しつつある。サハリン州第一副知事セルゲイ・バイダコフ氏が最果ての島における事業の進捗状況を視察した。

バイダコフ第一副知事は「記念碑建造物の第一段階の開館は8月18日に予定されています。作業は最終段階にあります。シュムシュ上陸作戦の軍事史的再現が行われる場所を調査しました。戦闘の再現には約150人が参加する予定です。今年の捜索隊が発見した兵士の遺骨の埋葬式が行われる場所も決定しました」と語った。

捜索隊は合計7体のソ連兵の遺骨を発見した。「ロシア捜索運動」サハリン州支部長で、国際捜索隊「クリル上陸の足跡を辿る」の隊長を務めるアルチョム・バンドゥーラ氏は「名前入りのスプーンを持っていた兵士は1人だけでした。現在、専門家がス名前を特定するために作業を行っています。シュムシュ島には上陸作戦の際に戦死したソ連の英雄たちが埋葬されている集団墓地、いわゆる慰霊碑が建っています。新たに発見された兵士たちが戦友の隣に横たわることは、象徴的な出来事となるでしょう。埋葬は厳粛な雰囲気の中で行われ、敬礼隊や旗を持った隊員、儀仗隊、そして戦死した英雄たちの記憶に敬意を表する賓客が参列します」と述べた。

さらに、シュムシュ島には屋外展示も設置される。これは、創作工房「ネフスキー・バタリスト」によって制作されている。代表のドミトリー・ポシュタレンコ氏は「上陸部隊と日本軍との戦闘を描いたコルテン製のオブジェがコンクリートの台座に設置されます」と話した。

イベントの来場者には、等身大の兵士像のコンポジションが披露される。その一つは、破壊された日本軍の戦車を背景にソ連海兵隊員が描かれた1945年8月の実写写真に基づいて作られる。

ロシア軍事歴史協会は先日、クリル上陸作戦80周年を記念する初の芸術記念碑をモスクワに寄贈した。この作品は彫刻家マルガリータ・フォミナによるもので、上陸初日に敵のトーチカの銃眼を自らの体で覆ったニコライ・ヴィルコフとピョートル・イリイチェフの決定的瞬間と「最後の跳躍」を見事に捉えている。

ブロンズ製の記念碑は高さ4メートルで、8月18日までにシュムシュ島に設置される予定。この彫刻は、第二次世界大戦最後の戦いにおけるソ連赤軍の日本軍に対する勝利を記念する大規模な記念碑の序章となる。

バイダコフ第一副知事はまた、クルバトフ岬の灯台の修復工事の進捗状況を視察した。

プーチン大統領の指示により、祖国防衛のために殉じた人々の記憶を永遠に留めるための一連の行事が、2025年夏にシュムシュ島で開催される。8月18日、クリル諸島上陸作戦当日には、軍事史記念施設(野外博物館)の第一期が開館。同日、シュムシュ島では、記念すべき出来事を軍事史的に再現したイベントと、自転車、水上、ランニングの3つのステージで構成されるスポーツトライアスロン「Height 171」が開催される。さらに、夏の間中、クリル諸島では「シュムシュ島の道」の観光ルートが開設される。(sakh.online 2025/8/2)

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