国際科学実用インターネットジャーナル「プロエコノミクス」がテレグラムチャンネルで、択捉島にある廃墟と化した地熱発電所について報じた。写真を提供したサハリンの住民は「地元の人によると、稼働開始から10年も経っていないそうです。設備に非常に強い影響(過酷な環境)が及んでいることに気づきました」と語った。
この発電施設は、2007年に稼働を停止したオケアンスカヤ地熱発電所のことだ。その廃墟は現在、択捉島の動物相に致命的な脅威を与えている。さらに、厳しい気候が毎年、廃墟となった施設をさらに劣化させている。

ガスパイプラインは、発電のために井戸から発電所へ蒸気とガスの混合物を輸送していた。パイプはグラスウールで包まれているが、放置されたままだ。グラスウールは環境、動物、そして鳥類に深刻な害を及ぼす。
獣医師によると、小さなガラス粒子が鳥類の呼吸器に入り込み、炎症、刺激、潰瘍を引き起こす可能性がある。さらに、グラスウールはフェノールとホルムアルデヒドを放出し、動物や鳥類に有害な影響を与える可能性がある。
地熱発電所の骨組みは解体し、土地は適切な状態に復元されるべきだったが、未だに誰もその作業に着手していない。今年は、施設の廃止から10年目にあたる。
2011年に発電所の復旧が試みられた。裁判所は、地熱発電所の適切な運転を確保するために、クリル地区行政府に対し、修理を行うよう命じた。当局は決定を実行するために2カ月間の猶予を与えられたが、その間何もせず、発電所の保守点検を担当していた企業は、産業安全基準違反で繰り返し責任を問われた。

地熱発電所を「壊滅させた」事故は、2013年2月27日に発生した。電力サージにより、トゥマン2型タービン発電機2基のうち1基が故障したのだった。
オケアンスカヤ発電所のタービンは2014年に運転を停止したが、2015年3月、地方当局は「オケアンスカヤ・ゲオTPP近代化プロジェクトが準備され、国家専門家の審査に合格した」と公式発表した。それ以来、近代化について言及する者は誰もいない。(sakhalin.aif.ru 2025/9/23)
プロエコノミクス:択捉島の地熱発電所はソ連が潜在能力を見落とした結果である発電所は過酷な環境のために10年も持たなかった
プロエコノミクスは「こうした事例は、かつて再生可能エネルギー開発の最前線に立っていたソ連の潜在能力が見過ごされた結果だ。今日、ロシアは、特に極東の独立したエネルギー供給地域において、地熱発電所や潮力発電所の復活に特有の条件を備えている。ロシアは、技術近代化に投資すれば、これらの分野で再び最前線に返り咲くことができる。すでに失敗に終わった野望の記念碑と化した択捉島の発電所の運命を回避するためだ」と指摘している。(サハリン・メディア2025/9/23)