ギドロストロイがサハリン南部に新しい水産加工場開設 開所式にパトルシェフ大統領補佐官出席

サハリン

択捉島発祥で極東最大の水産企業ギドロストロイ社が2日、サハリン・コルサコフ地区オゼルスコエ村(旧長浜)に新たな水産加工場を開設した。開所式にはロシア連邦大統領補佐官ニコライ・パトルシェフ氏とサハリン州知事ヴァレリー・リマレンコ氏が出席した。

新工場は1万平方メートルの敷地面積を誇り、1日あたり最大700トンの原料を処理する。冷凍設備は一度に最大3,000トンを保管できる。工場では、高度に加工されたシロザケ、ニシン、スケトウダラ、タラなど幅広い冷凍食品を製造するほか、生産廃棄物から1日最大30トンの魚粉をつくる計画だ。また魚油の生産も計画されている。最新の包装技術により、完成品の賞味期限は2年に延長される。同社の自己投資額は37億ルーブルに上る。

オゼルスコエの新工場の開設により、大学、専門学校、職業訓練校の卒業生を含め主にサハリン州住民を中心とした250人の雇用が見込まれている。

パトルシェフ補佐官は「本日、近代的な水産加工工場を開設いたします。この工場は、サハリン州の社会経済発展と住民の生活向上に間違いなく貢献するでしょう。極東最大の水産会社がサハリン州政府の支援を受けて実施するこのプロジェクトは、国の食料安全保障の強化に貢献し、水産業の発展をさらに促進するでしょう。このダイナミックに発展する地域で、今後さらに多くの興味深く有望なプロジェクトが実施されると確信しています」と述べた。

リマレンコ知事は「サハリン州は、水生生物資源の漁獲量、水産生産量、陸上加工施設の潜在能力において、常に極東でトップ3にランクインしており、太平洋最大の漁船団を擁しています。近年、6つの新しいハイテク企業が稼働し、1,000人以上の雇用を創出しています。オゼルスコエ村の新工場は、水産物の生産量を増加させ、何よりも重要なのは、地域住民に新鮮で手頃な価格の水産物を提供することです」と強調した。

オゼルスコエ村における水産加工施設建設プロジェクトは、1991年に設立されたこの地域最大の水産企業持株会社であるギドロストロイ・グループによって、連邦投資割当制度の下で実施された。昨年9月に着工され、記録的な速さで完了した。同社の自己投資額は37億ルーブルに上る。

工場建設と並行して、漁船や輸送船の円滑かつ安全なアクセスを確保するため、2.5メートルから5.5メートルの浚渫を含め港湾施設の改修が行われた。これにより、漁船団は一度に最大200トンの水生生物資源を陸に揚げることができる。

ギドロストロイは、サハリン島とクリル諸島(北方四島を含む千島列島)だけでなく、沿海地方でも事業を展開する極東最大の持株会社。海洋・沿岸漁業、水生生物資源の加工・販売、太平洋サケの人工繁殖、産業建設・土木建設、エコツーリズムなどを展開している。従業員は約7,000人で、そのうち3,500人が海上勤務に従事している。(sakh.online 2025/10/2)

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