国後島ケラムイ崎沖 ネズミイルカ20頭の大群を発見!

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背びれを負傷したネズミイルカ。2025年10月20日。セルゲイ・ステファノフ撮影

国後島ベスロフスキー半島(ケラムイ崎)の海域で10月20日、クリル自然保護区の職員セルゲイ・ステファノフ氏が、ロシアのレッドリストに掲載されているネズミイルカ20頭の大群を確認した。そのうち1頭は背びれを負傷していた。原因は不明だが、漁網に絡まったか、通過する船舶のスクリューで切断されたか、あるいは人為的要因によるものと考えられる。

20頭の群れは、保護区職員が記録した中で2番目に大きな群れだ。これまでの最大の群れは2019年10月21日に小クリル自然保護区の海域で目撃された30頭。

ネズミイルカ(Phocoena phocoena)はバルト海、黒海、北太平洋の3つの亜種に分けられる。北太平洋亜種(Phocoena phocoena vomerina)は北太平洋の冷帯、温帯、極海域に生息している。ロシアでは極東全域の海域とクリル諸島(北方四島を含む千島列島)の両側に生息している。

ネズミイルカは臆病な性質のため、水から飛び出すことは稀で、船との遭遇を避け、群れを形成することは滅多にない。水深200~300メートルを超えない大陸棚、湾、河口などの浅瀬を好む。餌は主に魚類と頭足類(イカ、タコなど)。

世界にはネズミイルカは8種生息しており、そのうち4種は絶滅危惧種だ。特に懸念されるのは中国の揚子江にのみ生息する長江スナメリを含む3種のスナメリ。カリフォルニアネズミイルカ(コガシラネズミイルカ)も世界にわずか12頭しか残っていない。

何がこれらの動物を絶滅の危機に追いやっているのか?直接的な殺害、漁網による事故死、油やその他の廃棄物による海洋汚染、船舶や水中作業による騒音などが含まれる。ボートや大型船との衝突、スクリューによる事故もある。(クリル自然保護区2025/10/24)

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