サハリン州が自前の歴史教科書作成 小5教科書の表紙は択捉遺跡発掘調査の写真掲載

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小学5年生から7年(中学1年)生向けの教科書「我が地域の歴史-サハリン州」が、連邦教科書リスト(FLS)に正式に掲載された。ロシア教育省傘下の教科書科学・方法論評議会の会合で決定した。サハリン州は32のパイロット州の一つとして、自前の教科書を提出し承認された。

サハリン州のアナスタシア・キクテヴァ教育大臣は「私たちにとって、これは単にリストへの正式な掲載というだけでなく、地域全体にとって非常に価値のある成果です。私たちの子どもたちは今、普遍的で質の高い教材を手にし、故郷の歴史を深く体系的に学ぶことができます。この教科書は私たちの共通の遺産です。若い世代に小さな故郷への誇りと責任感を植え付け、サハリンとクリル諸島の住民の地域的アイデンティティを強化することに大きく貢献しています」と強調した。

教科書の著者はサハリン州郷土博物館の研究者とサハリン国立大学の教員で構成されている。その中には、イトゥルプ遺跡で数々の発掘調査に参加してきたヴャチェスラフ・グリシュチェンコ氏も含まれている。グリシュチェンコ氏は、現在の遊歩道遺(紗那-内岡間2kmの遊歩道)、ヤンキトホテル、そしてキトヴィ(内岡)の幼稚園と住宅地で発掘調査を行った。その結果、1万年前からイトゥルプ遺跡に人々が居住していたことを示唆する多くの発見をした。発掘の様子が小学5年生の教科書の表紙を飾っている。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2025/10/30)

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