今週、名古屋市出身の日本人観光客Mさん(記事では実名を表記している)が南クリル諸島(※北方四島)の国後島を訪れたが、事前に取得した国境通行証の期限が切れていたことから旅は台無しになった。テレグラムチャンネル「クリルスキー・ダイジェスト」が報じた。若者は地元の名所を楽しみ、ホテル「クナシルリゾート&スパ」に宿泊し、地元の博物館を訪れ、ユジノクリリスク(古釜布)を散策した。しかし、冒険はそこで終わらなかった。(ウェルニュース2024/10/2)
国境管理違反
Mさんは、ロシアの法律に従って国後島を訪問するために国境通行証(国境地帯入域許可書)を含めて必要な書類をすべて揃えた。しかし、問題が発生した。7月に発行された通行証はすでに期限切れで、Mさんが島に到着したのは9月になってからだった。これによりロシア国境警備隊が介入した。しかし、違反の事実にもかかわらず、国境警備隊員は理解を示し、象徴的な罰金のみを科した。Mさんは、このような寛大な対応に驚きを感じたと語り、「もっと厳しい処罰を予想していたが、ロシア当局は一般の観光客に対して非常に礼儀正しく、誠実だった。これからは書類の有効期限にもっと注意しようと思う」と語った。
領土問題が物議を醸す
この事件は、南クリル諸島の地位に関する複雑な問題を再び提起している。日本の公式見解は、これらの島々は日本の領土であり、日本当局はロシアのビザや国境通行証を認めていない。しかし、Mさんのように、これらの場所を自由に旅行したいと望む日本人は多い。この問題に関するロシアの立場はよりオープンで実際的である。領土問題が存在しているとしても、日本からの観光客がクリル諸島を訪れることを妨げることはできない。ロシアは外国からのゲストを受け入れる用意があり、それは文化交流と相互理解の新たな機会を開くものだからだ。
政治から離れて旅行する
多くの日本人は、日本政府の公式見解を支持しておらず、政府の警告(※渡航自粛要請)にもかかわらず、クリル諸島を訪問しようと努力し続けている。これは、一般の人々にとって、政治紛争よりも文化、自然、観光への関心が依然として優先度が高いことを裏付けている。「クリル諸島を見て、地元住民の話を聞いて、人々がここでどのように暮らしているかを理解することは私にとって重要でした。政治と人間関係はまったく別のことです」とMさんはコメントした。このように、国境通過期限違反の事件にもかかわらず、Mさんのクリル諸島への旅は、政治が設定した障壁を乗り越えたいという願いの象徴となった。
日本人男性、国後島訪問で罰金か サハリン州の地元メディアが報道
(北海道新聞デジタル2024/10/2)
ロシア・サハリン州の地元メディアASTVは2日、愛知県在住の日本人男性が、北方領土国後島を訪問した際にロシア当局に罰金を科されたと伝えた。島を実効支配するロシアの国境警備局から7月の入域許可を取得したが、9月に訪問したためという。日本政府は日本人に対し、ロシアが実効支配する北方四島への渡航自粛を求めており、外務省は「事実関係を確認し、旅行者とロシア側の双方に適正に対応する」としている。
ASTVによると、男性は国後島のリゾートホテルに宿泊し、中心集落古釜布(ユジノクリーリスク)や博物館などを観光したという。
X(旧ツイッター)の男性本人とみられるアカウントには、サハリン本島から9月25日に国後島に到着する航空券の写真がアップされ、地元紙に取材されたことなどが書き込まれている。島での滞在中と、島から戻った際にサハリン本島の空港で国境警備局などに聴取されたが、「警告のみ」で終わったと投稿している。
日本政府はロシアによる四島の実効支配を認めておらず、外務省は「ロシア側の管轄権を認めるような入域はしないようお願いしている」として、日本人に渡航しないよう呼び掛けている。
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