ロシアが実効支配する北方領土・国後島の海岸に今月、女性の遺体が漂着していたことが13日、関係者への取材で判明した。政府もこの事実を把握しており、北海道・知床半島沖で乗客乗員計26人が乗る観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故の被害者の可能性もあるとみて、外交ルートを通じロシア側に情報提供を求めている。(毎日新聞 2022/5/13)
関係者によると、女性の遺体が見つかったのは7日早朝。国後島南部に位置するニキショロ湖の西側の海岸に打ち上げられていたという。黒いシャツとジーンズ、茶色いベルトを着けていた。身元確認につながる所持品はなかったという。
国後島内で失踪者の届け出がなく、今回の事故が4月23日に発生していたこともあり、島内のロシア人住民から北海道根室市の関係者に連絡があった。現地の捜査当局は日本人の可能性があるとみて外交ルートを通じ行方不明者の特徴を日本側に問い合わせており、特徴が一致すれば引き渡す意向を示している。
今回の事故ではこれまでに乗客14人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。うち4人は、知床半島から国後島側の海域で発見された。14人は4月28日までに見つかり、海上保安庁などは以後も連日捜索を続けているが、5月13日朝までに行方不明者の新たな発見に至っていない。
オホーツク海(左)とニキショロ湖(右)
国後島で女性の遺体発見 観光船事故の行方不明者の可能性も
(NHK 2022/5/13日)
北方領土の国後島の海岸で女性の遺体を発見したとロシア側から連絡があり、第1管区海上保安本部は、北海道の知床半島沖で沈没した観光船の乗客の可能性もあるとみて、ロシア側と連絡を取り合い確認を進めることにしています。
第1管区海上保安本部によりますと、北方領土の国後島の海岸に女性の遺体が打ち上げられているのが見つかったと今月10日、ロシア側から連絡を受けたということです。
遺体は今月6日に島の西側の海岸で見つかり、その後、島にある病院に収容されたということです。
一方、先月23日に知床半島の沖合で起きた観光船「KAZU 1」の沈没事故では、今も12人の行方が分からなくなっています。
海上保安本部などは、国後島周辺に流された人もいるとみて範囲を広げて捜索を続けていますが、先月28日に羅臼町の沖合で乗客3人が見つかったのを最後に、この2週間、行方不明者の発見には至っていません。
海上保安本部は、国後島で見つかった遺体は沈没した観光船の乗客の可能性もあるとみて、引き続きロシア側と連絡を取り合い、確認を進めることにしています。
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