北方四島で地対空ミサイルS-300V4発射訓練 敵機の領空侵犯に対応

ロシア軍東部軍管区(VVO)は、クリル諸島(※軍が駐屯する国後島択捉島)で、地対空ミサイルS-300V4を使用し、空からの敵の侵入を撃退する訓練を実施した。防空軍のプレスサービスによると、敵機がロシアの領空を侵犯したとの情報を受け、S-300V4対空ミサイルシステムにより、数十の敵機を撃破した。S-300V4対空ミサイルシステムは、弾道ミサイルに対して効果的に戦うことができる世界で唯一の防空システム。(astv.ru 2022/3/11)

※2020年12月、ロシア国防省系メディアは択捉島及び国後島に地対空ミサイル(SAM)

システム「S-300V4」(SA-23)を実戦配備したと報じた。

北方領土でミサイル訓練か 対空、日米けん制狙う

(産経新聞2022/3/11)

ロシア国防省は10日、クリール諸島(北方領土と千島列島)で地対空ミサイルS300V4の発射訓練を行ったと発表した。ロシア通信が伝えた。訓練の場所は明示していないが、軍事拠点としている北方領土択捉島国後島で行われた可能性が高い。

ロシアはウクライナ侵攻に当たり、極東からも大規模に部隊を移動させたとされ、訓練によって米国や日本をけん制する狙いがあるとみられる。

発表では、敵機群の侵入を探知し撃ち落とす訓練を行い、標的を全て撃破したとしている。ロシア軍は新型地対艦ミサイルのバスチオン(射程300キロ)を択捉島に、バル(同130キロ)を国後島に配備している。(共同)

ロシア軍の北方領土訓練に日本政府抗議

(北海道新聞2022/3/12)

 松野博一官房長官は11日の記者会見で、ロシア軍東部軍管区が、北方領土を含むクリール諸島で地対空ミサイル訓練を行ったことに関し、「わが国の立場と相いれず受け入れられない」と述べ、外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。ロシア側から事前に訓練の通告はなかったという。

 岸信夫防衛相は同日の会見で、訓練の意図について「ウクライナ侵略を進めるなかで、アジアでも訓練を行う能力があることを示す示威行動の一つではないか」との見解を示した。

 また防衛省は11日、ロシア海軍の艦艇10隻が津軽海峡を通過したと発表した。同省によると、10日午前2時ごろ、日高管内えりも町襟裳岬の東北東約180キロを進む艦艇を海上自衛隊が発見。10隻は11日にかけて、日本海側に移動した。同省は、2月に極東地域で実施された大規模海上演習に参加した艦艇とみている。領海侵入はなかった。

 ロシア艦艇の津軽海峡通過は、中国艦艇と計10隻での航行が確認された昨年10月以来。(古田夏也、吉田隆久)

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