現在の出来事を報道し続けるために、「フェイク法」に該当する軍関係の取材を見合わせる サハリンの「サフコム通信」苦渋の判断

 サフコム(Sakh.com)通信社は3月4日に施行された「フェイク法」により、現在の出来事を報道し続けるために、「フェイク法」に該当するトピックに関する取材を行わず、配信記事に対するユーザーの投稿が刑事責任を問われる可能性がある場合、その投稿を削除することとする。

 私たちは常に客観的な報道を提唱してきた。独立系メディアを含む様々な情報源を使用してきたが、今では外国のエージェントと見なされ、活動を制限され、閉鎖されたメディアもある。

 私たちは自分たちの立場を放棄することはしない。しかし、ロシア軍に関する「フェイク法」によって、私たちの記事やメッセージはどれも偽物と見なされ、起訴される可能性がある。議会で採択され、大統領によって署名された法律は、信頼できるメッセージを装って虚偽の情報を広めることに対する刑事責任を明確にするものであり、国と国民の利益を保護するため、ロシア軍の信用を傷つけることを目的とした行動に対する刑事罰を規定している。

 ジャーナリストもロシア市民も、ロシア国防省の情報とは異なる軍隊の行動に関する情報を広めたと見なされた場合、刑事訴追される危険な状況に直面している。私たちは、現在の出来事を報道し続けるために、「フェイク法」に該当するトピックについては取材しないこととした。

 軍関連情報を伝える人は誰でも法律違反に問われる可能性がある。法律の文言はあいまいであり、どのようなメッセージや記事が対象となる可能性があるかについては推測することしかできない。

 サフ・コムのフォーラム(投稿広場)へ投稿する人、インスタグラムのブロガーなどで、ウクライナで起こっていることは「特別軍事作戦」ではないと主張する人、ロシア軍はロシア連邦と国民の利益のため、平和と安全を維持するために行動していないと主張する人は、危険にさらされている。

 サフコム通信は、ユーザーの投稿が刑事責任を問われる可能性がある場合、投稿を削除することとする。

 一部の措置は、以前に公開された投稿や記事などにも適用される場合がある。リスクを冒したくない人は、自分のページをチェックして、疑わしい、あるいは物議を醸しそうな投稿は削除するよう勧める。また、友人や愛する人にも警告することができる。(サハリン・インフォ2022/3/5)

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