『戦世(いくさゆ)の傷あと』(1986年8月掲載)

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 1986年(昭和61年)8月14日から8月24日まで、北海道新聞朝刊釧路・根室版に10回連載した「戦世(いくさゆ)の傷あと」です。入社5年目、28歳の時です。

 沖縄に初めて足を踏み入れたのは大学4年の時だったと思います。横浜駅から鈍行列車を乗り継いで鹿児島まで行き、そこから船に乗り換えて那覇に入りました。夜は駅で寝させてもらい、3日か4日かかったのではないかと記憶しています。

 留年した翌年の冬、さとうきびを刈りに与那国島に渡り、2カ月ほど農家に泊まり込みました。きび刈は人海戦術で一気に刈り取るため、北海道から援農隊が来ていました。

 私は祖納の大嵩長岩さんの家にお世話になりましたが、前の年だったか、作家の立松和平さんが泊まり込んできび刈をしたのが大嵩さんの家でした。確か、新聞か何かで立松さんが与那国島でのきび刈りについて書いたものを読んだのが、与那国行のきっかけだったと思います。

 いつか沖縄のことを書いてみたいと思っていましたが、釧路報道部勤務の時に実現しました。

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