国後島・大岬で絶滅危惧種のゼニガタアザラシ58頭の大群を確認 クリル自然保護区の研究者

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国後島のクリル自然保護区の研究者が、国後島の太平洋側に位置するユジノクリリスキー岬(大岬)の海域で、ロシアのレッドブックに掲載されている希少なゼニガタアザラシの大群を確認した。同保護区のウェブサイトで報告した。

10月5日、同保護区の研究者セルゲイ・ステファノフさんは、ユジノクリリスキー岬沖の岩の上で休んでいる58頭の群れを観察した。保護区によると、これは近年この場所で確認されたゼニガタアザラシの最大の群れの1つだという。10月24日には、別の30頭の群れが目撃された。

ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina stejnegeri)は、一般的なアザラシの亜種の1つ。ロシアのレッドブックでは2(個体数減少中)として掲載されている。また国際レッドブック(IUCNレッドリスト)にも掲載されていおり、ロシアではクリル諸島(北方四島を含む千島列島)とコマンドルスキー諸島、カムチャッカ半島東岸の地域でのみ見られる。

ゼニガタアザラシは非常に用心深い動物で、陸上の捕食動物に見つかるような陸地に行くことはめったになく、四方を水に囲まれた狭い場所を好む。

同保護区は、海洋哺乳類を観察したい人は、双眼鏡やズームカメラを使って、アザラシの寝床からかなり離れたところから観察するよう呼びかけている。犬がアザラシを襲ったり、危険な病気を感染させたりする可能性があるため、野生動物の近くで犬を自由に歩き回らせないことも重要だ。(sakh.online 2024/10/25)

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