この夏、モスクワ市民はクルーズ旅行を積極的に検索し、関連ウェブサイトへのモバイルトラフィックは昨年比で39%増加した。携帯電話事業者メガフォンと旅行会社ロシア・ディスカバリーの共同調査によると、クリル諸島と南極大陸が最も人気のある目的地で、これらの旅行の平均期間は11日から14日間だった。

クルーズ船旅行専門ウェブサイトへのトラフィックは今年3月に急増し、全閲覧数の11%を占めた。これは2月の5%から大幅に増加している。8月にはピークを迎え、18%に達した。クルーズウェブサイトの主な利用者は、モスクワ在住の35~44歳(37%)と45~54歳(27%)。25~34歳と55~64歳の年齢層はそれぞれ13%を占めている。
ロシア・ディスカバリーのアナリストは、クルーズへの関心が高まっていることを確認している。2025年6月から8月にかけて、モスクワ在住者によるロシア国内クルーズの需要は前年同期比で71%増加し、海外クルーズの需要は51%増加した。ウランゲリ島(チュクチ海にある島)クルーズとコマンドルスキー諸島(カムチャツカ半島の東)への旅行は、これらの人気に大きく貢献した。
探検クルーズでは、モスクワ在住者の間でクリル諸島航路が1位となり、次いでウランゲリ島に寄港するチュクチ半島航路が続いた。3位には、フランツヨーゼフ経由の北極クルーズが続く。コマンドルスキー諸島と、チュクチ半島南部とカムチャッカ半島北部を経由する航路は、それぞれ4位と5位にランクインしている。国際的な探検旅行先としては、南極大陸、アイスランド、ガラパゴス諸島が上位を占めている。(forbes.ru 2025/10/10)

千島列島クルーズ 11日間150万円から 択捉島、国後島にも寄港
旅行会社ロシアディスカバリーのウエブサイトに掲載されている「パシフィック・ネックレス・クルーズ」–。11日間の探険クルーズで、料金は80万1,102ルーブル(150万6,000円)からとある。使用する船は科学研究や探検クルーズに使われている「プロフェッサー・クロモフ」で、大型船が航行できない海域での航行に必要な装備や耐氷性能を備えている。

旅程は、カムチャツカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキーを出港し、千島列島最北端のアトラソフ島(阿頼度島)を経てオネコタン島(温禰古丹島)に上陸。クレニツィン火山(黒石山)へのトレッキング。パラムシル島(幌筵島)、千島列島の中部に位置するウシシル島(宇志知島)のヤンキチャ島(南島)、シムシル島(新知島)から千島最大の島である択捉島へ。海岸線に沿って28キロメートルにわたって広がる、珍しい形と色をした奇岩群「ホワイトロック」やバランスキー火山(指臼山)の温泉で入浴。続く国後島ではゴロブニン火山(泊山)のカルデラ、ストルプチャティ岬(材木岩)を訪れる。最終寄港地はサハリンのコルサコフ港。


