北方領土・択捉島の単冠湾岸 ロシア軍がドーム型の軍事施設を建設

択捉島の話題

択捉島の地元紙クラスヌイ・マヤーク(赤い灯台)は、10月29日のテレグラムで、択捉島・カサトカ湾(単冠湾)岸に最近建てられたドーム型の軍事施設の写真を掲載した。レーダーサイトのように見える。

ブレベストニク村中等学校(所在地はゴルノエ村=見捨てられたかつての軍の町)のVKフコンタクテ(ロシア最大のSNS)に、同校の子供たちが軍の施設見学に訪れた際に、最近建てられたドームの説明を受けたと投稿があった。

「子供たちは軍のインフラや生活環境だけでなく軍人の仕事について学んだ。特に興味深かったのは、防衛者が戦闘任務に就く太平洋湾岸に最近建てられたドームで、子どもたちはそれが何のためにあるのか、どのような戦闘任務を担っているのかを説明された」(ブレベストニク村中等学校のVKフコンタクテ=ロシア最大のSNS)

防衛省の「我が国周辺におけるロシア軍の動向について」(令和6年3月)によると、択捉島ゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)には第18機関銃・砲兵師団司令部が置かれている。同師団は、主に着上陸防御を目的として択捉島と国後島に部隊が駐屯している。(同部隊の規模は合わせて約3,500人)

北方領土には、戦車、自走砲、多連装ロケット、地対空ミサイル、ヘリなどが配備されている。

2011年2月、当時のメドベージェフ大統領は、セルジュコフ国防相に対して、「クリル諸島」(北方四島を含む千島列島)の装備の近代化に必要な措置を取るよう指示。

2016年11月、地対艦ミサイル「バスチオン」及び「バル」部隊が、それぞれ択捉島及び国後島での任務に就いていることが、太平洋艦隊機関紙の報道により判明。

2018年1月、択捉島の新民間空港(ヤースヌイ空港)が軍民共用化され、同年8月には同空港に戦闘機(Su-35S×3機)が配備された。

2020年12月、択捉島及び国後島に地対空ミサイル(SAM)システム「S300V4」(SA-23)が実戦配備されたと、ロシア国防省系メディアが報道。

※「S-300V4」は、ウクライナ侵略以後、消失しており、ウクライナ方面へと転用されている可能性が指摘されている。

(資料源:防衛白書、露国防省発表、IHS Jane’s各種報道等)

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